■疑惑の登山方法に愛好家から怒りの声

 1週目には富士宮口5合目から、少しルートを外れて宝永火口と呼ばれる場所を目指す。宝永火口に向かう途中には、6合目に建つ山小屋・雲海荘で休憩を取り、ついに宝永火口にたどり着く。そして2週目には、地形マニアのタモリが宝永火口の独特の地形をたっぷり堪能する。

「そして3週目、放送はいきなり9.5合目からスタートするんです。つまり6合目から9.5合目までの間がすっ飛ばされていたんです。さらに、放送では6~9.5合目の模様が、映像でも写真でも紹介されなかった。ただ、放送の中では、“山頂を目指して頑張りましょう!”という感じだったんです。

 実は6合目より上、タモリは自分の足ではなく、登山道の脇を走る、山小屋や神社に物資を運んだり、負傷者を下山させるブルドーザーで山を登って行ったようなんです」(前出の芸能記者))

 山頂についたタモリと桑子アナは、富士山頂浅間大社奥宮を参拝し、富士山の最高地点・剣ヶ峰にも到達した。

 タモリは放送にあたって「昔から一度は行ってみたいと思っていた富士山なので、とてもいい記念になりました。眼下に広がる雲海の景色は格別でしたね。あれ以来、ほかの山の見方も変わってきました。“この山、ちょっと登ってやろうかな?”と考えるようになりましたね」とコメントを寄せていた。

「このコメントからも、タモリが5合目から山頂まで自分の足で登ったかのように思えてしまいますよね。おそらく番組サイドは、ブルドーザーで登る部分を全カットすれば、批判の声が上がることも想定していたのではないでしょうか。それなのになぜカットしたか。

 まず、やはりブルドーザーは資材運搬用で、緊急の人命救助のケースを除けば、人の運送が認められていないということ。また、堂々と“今回は特別にブルドーザーで登りました”とやると、一般の方から“私もブルドーザーで登らせてほしい。NHKの番組だけ特別扱いするな”という声が上がる懸念があったからかもしれませんね……。

 タモリと桑子アナは、この“黒いワープ”の共犯関係にあったからこそ、タモリが後見人を引き受けると言うほど、深い関係になったのかもですね」(前出の写真誌デスク)

 タモリという強力な後見人がいる桑子アナ。NHKを去る日も近いのかもしれない――。

(2021年2月16日公開)

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