■ラブシーンで納豆を…

 そんな田村さんとラブシーンを演じたことのある、女優の故・生田悦子さんは、こんな秘話をエッセイで記している。

〈そのときの監督がキスシーンで唾液が糸を引く様子を撮りたいと言いだしたの。(中略)でも、なかなか糸を引かないんですよ。そのため、撮影所の食堂にあった納豆を食べて試したんだけどダメ。(中略)結局、そのシーンは撮れなくて、そのうえ気持ちが入らないラブシーンになっちゃいました(笑)〉(『週刊女性』2017年4月18日号)

 あの田村正和が納豆の糸を交えてキス……とは、思わず笑いそうになる話だが、演技に関しては実にストイックな俳優だったという。

「撮影現場に自前のデッキチェアを持ち込んで、座って考え込む姿をよく見ました。セリフは常に完璧で、相手役者の分まで覚えていたほど。当たり役となった『古畑任三郎』(フジテレビ系)でも毎回、長ゼリフを楽々とこなした。どれだけ準備しているんだろうと、誰もが驚きましたよ」(民放テレビ局プロデューサー)

 また、私生活では浮いた噂のない愛妻家だったが、70歳を過ぎた頃には、こんな“ロマンス”も浮上した。

「女優の名取裕子と銀座の高級レストランに現れたんです。2人はドラマで何度も共演した仲。田村さんも楽しそうで、男女の仲というより、兄と妹のような雰囲気でした」(女性誌記者)

 だが、田村さんは18年2月放送の『眠狂四郎 TheFinal』(フジテレビ系)を最後に表舞台から姿を消した。

「演技もセリフ回しも、やっぱり、おじいさんっぽくなっていたんですね。いくら円月殺法といわれても、それではファンを納得させるのは難しいし、ご本人もそれが一番許せなかった。だから、事実上の引退をなさったんです」(城下氏)

 田村さん自身、『FRIDAY』の直撃に「完成前の試写を見て“これじゃダメだな”と痛感」し、同作での引退を決めたと答えている。

 引き際にも漂うダンディズム。永遠の二枚目俳優のご冥福を祈りたい。

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