■アートも人生も「いきあたりばっちり」

 僕は、自分を「ADHD(多動性症候群)」だと思っていますが、この特徴は、多動性と衝動性です。じっとしていられず、なんでも衝動的にやってしまう。だから僕は、書道家として20年間、ずっと衝動的に書いています。常に、練習なしの一発本番。大河ドラマの題字も、美空ひばりさんのアルバムの字も、そう。筆を持ったら、腹をくくるしかないんです。

「書」を書くのは、とても楽しいことです。でも以前、テレビでそう言ったら「書道は楽しむものじゃない」という投書がたくさん来てビックリしました。僕にとっての「書」は、楽しくて衝動的なもの。数年前から描いているアートは、さらに衝動的です。描き始めるまで、自分でも何を描くのか分からない。だから描きながら、驚きの連続です。

 僕は、アートも人生も「いきあたりばっちり」(笑)。もし今、生きていることが『楽』ではないと感じている人がいたら、この言葉を書いて差し上げたい。『ご自愛ください』

 楽しくない、楽じゃないのは、自分を愛していないから。自分自身とイチャイチャして、自分を大好きになって、自分がかわいいと思う。たとえポンコツなところがあっても、ポンコツな自分でさえも愛しいと思う。

 そうすれば、『楽』は向こうからやって来ると、僕は思っています。

武田双雲(たけだ・そううん)
1975年6月9日生まれ。熊本県出身。3歳より、書家である母・武田双葉に師事し、書の道を歩む。大学卒業後、約3年間のサラリーマン生活を経て、書道家として独立。以降、独自の創作活動で注目を集める。映画『春の雪』『北の零年』、NHK大河ドラマ『天地人』、スーパーコンピューター『京』、『美空ひばり』など多くの題字を手がける一方、現代アーティストとしても数多くの作品を発表している。

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