5thシングル『君しか勝たん』では加藤をセンターに河田陽菜金村美玖、小坂菜緒、丹生明里という日向坂46の主力を担う2期生に据え、裏センターにあたるポジションには齊藤が位置している。

 2列目の両端にも身体能力に長けた東村芽依渡邉美穂と優れた日向坂屈指のパフォーマーが並んでおり、パフォーマンス重視のフォーメーションになっていることは明白だ。歌唱力が活かされたソロパートや加藤を中心としたダンスが組まれていることも、彼女のパフォーマンス力を活かすという意図が感じられる。

 実際に『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)や『CDTV ライブ! ライブ!』(TBS系)など多くのテレビ番組で新曲を披露する機会があったが、ソロパートでは安定した歌声を響かせていた加藤。初のセンター抜擢とは思えないほどの凛とした佇まいからはグループへの絶大な信頼とセンターとしての自信が伝わってくるようだった。

 何より加藤の高い歌唱力を軸とした楽曲のあり方はグループ全体のパフォーマンス面で新たな可能性を引き出していたように思う。

 『ハッピーオーラ』で初めてセンターに選ばれた際には、「私のせいでひらがなが嫌われたらどうしよう」とアイドルらしくない自分がセンターに立つことに不安で涙していた加藤だったが、5thシングル『君しか勝たん』の選抜発表のコメントでは「センターは正直任せてもらえないと思っていた」としつつ「めちゃくちゃ嬉しいです」と前向きな発言を残していた。

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