■『イッテQ』の広告収入は『ポツンと』の3倍
制作会社関係者は話す。
「スポンサー企業は購買力の高いコア層がよく見ている番組に広告を出稿したいわけです。つまり、コア視聴率の“高い低い”がテレビ局の広告収入に直結するということ。たしかに松本さんの言う通り、今の評価基準で言うと、世帯視聴率が高くてもコア視聴率が低い番組は“局に貢献していない番組”とも言えます。
しかし、世帯視聴率が高く、コア視聴率が低い番組、“世帯視聴率弁慶”のような番組も問答無用で打ち切られるわけでもありません。電源をつければ無料で楽しめる地上波テレビは世代を問わず、みんなが楽しむメディアでもありますからね。世帯視聴率が高くて、コア視聴率が低い番組というのは、シニア層がよく見ている番組ということで、意味がないというわけでは決してないんです。
ただ、今はネットメディアなどに若年層の興味関心が移ろい、テレビへの広告出稿も減ってきている。そのため、テレビ各局はどうにか若年層に見てもらえるような、コア層に刺さるような番組作りを目指すようになっているんです」
そんな中にあって、世帯視聴率は良くてもコア視聴率が低い番組もいまだに多数存在する。
「ゴールデンやプライム帯の番組だと、所ジョージさん(66)がMCを務める日曜20時の『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)がそうですよね。7月11日の同番組の世帯視聴率は12.9%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)でしたが、同時間帯の『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ系)12.5%を上回っています。
ところが、コア視聴率になると『ポツンと』は2.1%、『イッテQ』は9.6%と、ものすごい差で逆転。『イッテQ』のコア視聴率は1週間の多くの番組の中でも断トツの1位。子どもたち、そしてその親たちはみんな見ているのではないか、というほどの数字です。
コア視聴率に比例するように、広告収入も『イッテQ』が『ポツンと』の3倍以上も良い、といいますからね。テレビ各局がコア層に見てもらえるような企画、キャストを重視するというのも自然な流れとも言えますよね」(前同)