■ラーメン店が追い詰められる本当の理由
一方、豚肉の高騰は、ラーメンに欠かせない焼豚に影響する。
「私が手がけた店では、焼豚を魚の天プラに替えました。豚肉は、15~20%ほど値上がりしていますので、今後、焼豚の代替品が増えるかもしれません」(前出の野本氏)
厳しい戦いを強いられるラーメン店だが、ここまで追い詰められるのには、食材以外の要因もあるという。
「そもそも、ラーメンの値段は安すぎます。8割の店舗が起業から3年以内に潰れるといわれていますが、ラーメン店は薄利多売で成り立つ商売。そこに食材の高騰が加われば、値上げせざるをえないでしょう」(前出の渡辺氏)
野本氏も、値上げは不可避と推測する。
「年々、飲食業界の人件費が上がり、個人店では経営が逼迫しています。お手頃価格でラーメンを提供できなくなる時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません……」
安価でおいしいラーメン。庶民の味が“高級料理”になってしまうかもしれない。