■「ほのぼの感」少なめが仇に?
第1話では、木村文乃演じる礼が子どもの雫(宮崎莉里沙)を預けにきたとき、小さな雫をこわごわと見つめ、慌てて俊平に電話する有様。第2話でも、シンガーソングライターを目指すめいくが子どもを置いて姿を消すが、彼女の小さな息子・大地(三浦綺羅)の前で慌てすぎ。「子どもの前で露骨に不安な顔に出し過ぎ問題」にヒヤヒヤする。
実行だけは早いが精神的にも環境的にも全然準備が整っておらず「それをしたらどういう結果になるのか」イメトレもできていない、「やらかし炎上」の特徴を彼に感じてゾッとするのである。かなり強引に礼と俊平を巻き込み、都合を聞かず進めては投げる。しかも彼らを協力者ではなく「責任者」として頼る。蒼介は、一番SNSを使ってはいけないタイプではなかろうか。
ただ、シングルマザー、シングルファーザーの心の叫びがストレートに聞こえてくるようなセリフの強さはある。一見、ハートフルな方向に振ってはいるが、現代の生きにくさが強烈に出た、ヘビーでシリアスなイメージ。正直、金曜の夜に期待していた「ほのぼの」とはかなり違っていた。今後の展開が気になるが、今クールで一番、賛否が分かれそうなドラマである。(伊那峡子)