■見逃し配信で大ヒットに

 萌は子どもを堕ろした深い悲しみと、正隆に捨てられたことと、雪映の妊娠のショックが重なり、徐々に正気を失っていく。そして、正隆と雪映の家に上がり込み、「正隆さん、久しぶり。元気?」と、正隆に抱きついたかと思うと、今度は包丁で雪映に襲いかかる。

 正隆は必死で止めようとするが、もみ合っているうちに萌の腹を包丁で刺してしまう。床に大量の血が広がっていき、萌は絶命。これこそ「俺は何度も思い出す。あの夜のことを。なぜあんなことになってしまったのかを」という、北山の独白とともに始まった、初回冒頭のシーンの原因だったのだ。

 北山の振り切ったクズ男の演技が話題になり、初回から注目を集めていた同ドラマは、「ネットもテレ東」「TVer」などでの見逃し配信の再生数が187万回を突破。同局の番組で1週間での再生数が歴代2位を記録した。

 そして、今回の放送後も、ツイッターのトレンドランキングのトップ5圏内に“ただ離婚してないだけ”が浮上し、「キスマイ北山さん、お調子者の役しか見たことなかったけど、負の感情が見事」などと、北山の闇落ち演技が大きな反響を呼んだ。

 キスマイでの北山はMCの印象が強いが、19年公開の主演映画『トラさん〜僕が猫になったワケ〜』でダメ夫だけど愛くるしいキャラを演じている。また、同年放送の主演ドラマ『ミリオンジョー』(同局系)では闇落ち感のあるキャラを演じていて、幅の広い役柄を演じている俳優でもある。

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