■NHK朝ドラ『おしん』の父親役につながる一言
伊東 あとは奥さんと、よく会話することですよ。年を取ると会話は減るけれど、私なんか、食事の前には“うまそう”、食べて“うまい!”、食べ終わったら“うまかった!”。これだけでも会話は弾みますからね。
――身近な人と、おしゃべりするのも大切なんですね。
伊東 まあ、私はもともと無口な人間なんですけどね。用がなければ一日中、黙っているくらいで。こうやってラジオでしゃべっているのもいいのかもしれません。
――今後の抱負は?
伊東 苦手な質問です(笑)。自分では特にないんですが、周りに考えてくれる人がいるんですよ。『電線音頭』のベンジャミン伊東で売れている頃に、ドラマのシリアスな役柄で呼んでくれたプロデューサーがいました。あまりに正反対のイメージなので、本当にいいのか尋ねたら、「それが、どうかしましたか」とひと言。うれしかったなあ。
――それが『おしん』の父親役をはじめ、役者としてのご活躍にもつながっている。元気の秘訣は、あまり先を考えないことでしょうか。
伊東 そう。自分で考えることは、たいていムダ。あとは、楽しいことしか考えないことですよ!
●伊東四朗(いとう・しろう)1937年生まれ、東京都出身。「石井均一座」を経て、三波伸介、戸塚睦夫と組んだ「てんぷくトリオ」で大ブレイク。以後、映画、ドラマ、舞台、バラエティ、テレビ、ラジオと多方面で活躍。