秋の夜長は、しっぽりと晩酌を楽しみたいもの。そんなときにお勧めしたいのが、糖質ゼロでプリン体が僅少なウイスキーだ。
「アメリカ北部や、日本の小樽など、寒冷地で作られるウイスキーは、気温が下がる、これからの季節にピッタリのお酒です。多様な飲み方ができるのが特徴で、コンビニなどで販売している安いウイスキーも、ひと手間で極上の一杯にすることができます」
こう語るのは、年間2000軒の酒場へ通い、酒造メーカーのコンサルティングも手がける、酒場案内人の塩見なゆ氏だ。今回、塩見氏にウイスキーが10倍うまくなる裏技を聞いた。
まず、ウイスキーの飲み方の王道、ハイボールから。
「ウイスキーはアルコール分が多いため、凍りません。その特性を利用し、冷凍庫でキンキンに冷やして、トロトロの半液体状になったウイスキーと、強炭酸水を合わせましょう。氷を使わないので、炭酸が抜けにくく、ガツンと爽快感のあるハイボールが作れます」(塩見氏=以下同)
さらにひと手間を加えれば、よりおいしくなる。
「冷凍庫で冷やすと、お酒の香りが若干弱まるので、仕上げにレモンを添えましょう。市販のレモン果汁を垂らしてももOKです」
寒い日に体を温めたいなら、お湯割りがオススメ。ウイスキー1に対し、お湯3が黄金比だというが、お湯の温度には注意だ。
「アルコールは78度前後で蒸発します。沸騰したお湯を注ぐと、ウイスキーのアルコールが飛んで味わいが崩れますので、少し冷ましてから注ぎましょう」
続いては、水割り。塩見氏は、数日かけて酒と水をなじませる“前割り”という方法を教えてくれた。
「ウイスキーと水を1対2の割合で合わせてから容器に入れ、陽の当らない場所で1〜3日間ほど寝かせます。味わいがとてもマイルドになり、通常の水割りよりもおいしくなります」
変わったところでは、ウイスキーのハチミツ割もおススメだという。
「一般的なウイスキー瓶の半分の量、約300ミリリットルに、大さじ5杯ほどのハチミツを入れて寝かせます。半分まで飲んだウイスキー瓶を、そのまま利用して作れば簡単です。ハチミツが溶けるまで1週間前後かかるんですが、混ぜずに、自然と溶けるのを待ちましょう。ロックでも、お湯割りでも楽しめますよ」
最後は、ウイスキーを牛乳で割る、バーの定番カクテル“カウボーイ”だ。
「麦の甘みを感じることができるカナディアン・ウイスキーを使います。コンビニで買える銘柄だと、クラウンロイヤルなどですね。牛乳の甘さと相性が良く、双方のうま味がより引き出されます。氷を入れたり、砂糖を加えたりすると、口当たりがよくなります」
簡単に楽しめて奥深いウイスキーの世界。現在、居酒屋などでは酒類の提供に時間制限があるため、自宅でのシメの一杯に、ぜひ!