■采配面でも“野村イズム”を出すためには
「野村さんは、目立ちたがりで派手好きな新庄の性格を逆手に取って、その気にさせるのが上手でした。それまでの彼は、突拍子もない言動をするわりに、上から強くいわれると、すぐヘソを曲げてしまう幼さもあった。技術論以前に“プロは、どうあるべきか”を説く“野村の教え”は、そんな彼にも、ストンと腑に落ちたんじゃないかな」
ただ、監督は、パフォーマンスだけではできない。野村イズムの継承者とはいえ、新庄監督は指導者経験ゼロ。指揮官としての能力は未知数だ。
「だからこそ、彼の持つ斬新なアイデアやひらめきを実際の戦術に落とし込むことになる林孝哉ヘッドや、他のコーチ陣の責任は重大。幸い、1軍投手コーチの武田勝は野村監督時代のシダックス出身で、バッテリーコーチの山田(勝彦)も野村阪神の経験者。采配面でも“野村イズム”が出せるかは、彼らの手腕にかかっている気がするね」(前同)
●ファンのほうを向いて野球を
新庄監督就任で注目度も高まり、若手の多いチーム内には、すでに好影響が生まれつつあるようだ。
「何があってもファンのほうを向いて野球をする――最初は、その姿勢だけで十分。初年度に関しては、最下位独走でもまったく問題ないと思いますよ」(同)
“ビッグボス”新庄の初陣が、今からもう待ち遠しい。