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カンタン!すぐできる! 認知症予防「7つのコツ」

[週刊大衆09月15日号]

患者の数はなんと、静岡県の人口より多いこの疾病。決定的な治療法がないなら、自分で防ぐしか手はない!

「日本は世界に先駆けて、未曾有の超高齢化社会に突入しました。2012年に厚労省が行った調査では、国内の65歳以上の高齢者のうち、15%にあたる約462万人が、認知症に罹患しているんです。この数字は今後、ますます増えるでしょう」(医療ジャーナリスト)

今や国民病となりつつある認知症。だが、この認知症について、正しい知識を持つ人は意外と少ないようだ。東京医科大学の羽生春夫教授が解説する。「そもそも"認知症"というのは、病名というよりむしろ、頭痛や腹痛と同じく症状の総称。認知症の症状が出る病気には、いくつかの種類があるんです。最も多いのは"アルツハイマー病"で、認知症全体の50~60%を占めます。次に多いのは、脳卒中の後遺症の"脳血管性認知症"と、幻視やパーキンソン病の症状を伴う"レビー小体型認知症"で、それぞれ約15%を占めています」

種類がいくつかあれば、原因もそれぞれ異なるわけだが、最近になって、「糖尿病から認知症になる」リスクが指摘されているという。

ちなみに羽生教授が大学病院で勧めるのは、一人でいくつもの病気を抱えることの多い高齢者の健康状態を、総合的に診療している「高齢診療科」。

子どもの病気をほとんど受け持つ小児科のお年寄りバージョンといえばわかりやすいだろう。

「長年、高齢者の全身を診療してきた中で、糖尿病の人は認知症になりやすいことがわかってきたんです」(前同)

糖尿病になると、脳の記憶装置である"海馬(かいば)"の神経細胞にダメージが生じて、海馬の萎縮が進み、認知症に至るというのだ。

「現在は新たに、"糖尿病性認知症"という概念が生まれています。アルツハイマー病と診断されている人の中には、このタイプがかなり多く含まれている可能性があるでしょう」(同)

すでに糖尿病にかかっている人や高血糖ぎみの人は、きちんと治療する必要があるが、いわゆる「糖尿病予備軍」も、予防のために食事と運動を見直すべきだろう。

特に健康診断で「メタボ」や「メタボ予備軍」と指摘された御仁は要注意。「生活改善に加え、必要に応じて薬による治療を併用して血糖値をしっかりコントロールすることが、そのまま認知症の予防につながります」(同)

実際のところ、認知症治療の研究は世界中で進められており、症状の進行をある程度抑える薬は、いくつか実用化されている。

しかし、「医学・医療がここまで発展した現代でも、進行してしまった認知症をもとに戻す治療薬は、残念ながらまだ開発されていません」(健康雑誌記者) というのが現状なのだ。


40~50代から準備を始めたい

「たとえば、糖尿病の治療に使われるインスリンの点鼻薬を、認知症治療に応用する研究も行われています。また、脳梗塞の再発を予防する、いわゆる"血液サラサラ薬"のシロスタゾールが、症状の進行を抑える可能性があるとの研究成果が、テレビ番組でも紹介されて話題を呼びました。さらに、アルツハイマー病を予防するワクチンも、かなり前から研究されているものの、これらが実用化されるまでの道はまだまだ遠いんです」(前同)

治療法がないなら、予防するしか方法はない。そこで注意したいのは、「アルツハイマー病をはじめ、認知症の原因となる病気は長い年月をかけて進行していきます。物忘れなどの症状が出てきて、周りが"おかしい"と気づくよりも20年も前から、脳の中の変化は始まっているんです」(前出・医療ジャーナリスト)

つまり、60代以降に認知症になることを阻止するためには、40~50代から準備しなければいけないというのだ。

そこで本誌では、認知症研究に関するさまざまなデータをもとに、認知症を予防するための究極のコツを7項目にまとめた。いずれも、今日から実践できるものばかりだ。

ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を
大まかにいって、短距離走や筋トレ、重量挙げなど、筋肉を鍛えるのが「無酸素運動」。

その一方、軽い負荷の運動を長時間行うことによって心肺機能を刺激するのが「有酸素運動」だ。具体的にはウォーキングやジョギング、水泳などである。「運動すると、脳の神経細胞を新たに作る物質が増えることもわかってきました。有酸素運動が認知症の予防に効果があるという研究結果も報告されています。ただし、自転車はあまりお勧めしません。街中では歩くよりも運動効果が低いうえに、転倒して頭を打つ危険性がありますからね」(羽生教授)

まずは、一日30分歩くことから始めてみたい。

サプリメントだけに頼るなかれ
「イチョウ葉エキス」や「DHA」「EPA」など、これまでいくつものサプリメントが、脳機能の活性化に効果があると言われ、そのたびにブームになってきた。

しかし、「これらのサプリは、健康増進にプラスにはなるでしょうが、残念ながら認知症の予防効果はないことがわかっています。必要な栄養素は、やはりきちんとした食事から摂りたい。ご飯や麺、パンなど糖質の摂取量を抑え、抗酸化作用のある緑黄色野菜や、魚を積極的に食べるのがいいでしょう」(前出・健康雑誌記者)

よく噛み、歯を磨く
「歯と口腔のケアは、実は認知症予防の重要なポイント。噛むことは脳への刺激につながるんです」(歯科医)

また、毎日の口腔ケアで歯周病を予防し、健康な歯と歯ぐきをキープするよう心掛けたい。よく噛んでゆっくり食べることによって、インスリンの分泌もゆるやかになり、メタボの予防にもつながって一石二鳥だ。


プラモデル作りも効果的だ!

パチンコより将棋を
「脳に刺激を与えるためには、クロスワードパズルなども効果がありますが、できれば一人で黙々とプレイするTVゲームやパチンコなどより、対戦相手がいる囲碁、将棋、麻雀、オセロなどのボードゲームが効果が高いんです。相手との駆け引き、顔色を読みながら戦術を考えるプロセスが大事なんですよ」(健康雑誌記者)

手先を使う趣味を持つ
「指先を使う細かい作業は、脳を活性化して血流を促すとともに、神経細胞のネットワーク化を活発にしてくれます」(羽生教授)陶芸、写経、ペン習字、絵画、そして料理などもいいだろう。童心に返って、プラモデル作りなども効果的だ。

何でも新しいことにチャレンジする
「脳を活性化させるためには、同じことの繰り返しではなく、新たな刺激を加えることが必要です」(前同)

中年以降になって何か始めるというのは、気後れするし、おっくうなものだが、思い切って、昔から密かにやりたかった習い事などを始めてみては? 多趣味な人は、アルツハイマー病になりにくいというデータもあるようだ。

恋をする
いくつになっても、心のときめきは脳を活性化させる。本誌は決して「道ならぬ恋」を推奨するものではないが、騒動が起きない程度に恋愛を楽しもう。

もちろん、老妻とのデートや、片思いでもいい。

さらに、次のような研究結果を、羽生教授が紹介してくれた。

「有酸素運動が認知症予防に有効と前にも述べましたが、実は、その中で最も効果が高い運動種目は、"社交ダンス"なんです」

良い姿勢を保つリズミカルな全身運動で持久力が鍛えられるだけでなく、ペアで踊ることにより、異性との触れあいやときめきが期待できるからだろう。映画『Shall we ダンス?』の役所広司よろしく、思い切って駅前のダンス教室の扉をノックしてみては、いかがだろうか。


健康面のリスクマネジメントは、自分自身でやるのがベスト。普段からの心掛けで、健康な老後を過ごそうではありませんか!

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