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認知症予防に役立つ「意外な食べ物」

[週刊大衆06月15日号]

現代の医学では、抜本的な治療法がいまだ発見されていない厄介な疾病も、日々の食事で防げるというのだ。

この5月に、声優・大山のぶ代さん(81)が認知症で闘病中という報道がなされたが、最近、物忘れが多くなったと感じている読者も少なくはないはずだ。そこで今回、脳を活性化させ、認知症を予防する"健脳食"を紹介しよう。

本題に入る前に、認知症に関する基礎的な知識を駆け足で説明する。
認知症は大きく2つに分けられる。ひとつが「脳血管性認知症」で、脳血管に小さな詰まり(血栓)ができて進行する。これを防ぐには血管のしなやかさと弾力性を保つことが大切だ。
もうひとつが「アルツハイマー型認知症」で、発症のメカニズムはまだ解明されていないが、脳神経細胞にβ-アミロイドが付着して進行する。
「認知症を防ぐには脳に血栓ができない血管や血液を維持することと、β-アミロイドの沈着を防ぐことが大切になります」(医療ジャーナリストの牧潤二氏)

米・イリノイ工科大学元助教授で『ボケずに健康寿命を楽しむコツ60』(角川書店)などの著書がある生田哲薬学博士によると、「サンマ、サバ、イワシなど、青魚は脳に良い食べ物のナンバー1」なのだという。

「青魚を週に1回以上食べる人は、まったく食べない人に比べてアルツハイマーのリスクが半減するという研究結果もあります。青魚に含まれる脂肪酸(DHAとEPA)は認知症の原因となる血栓を溶かしたり、脳神経細胞を冒す特殊なタンパク質(β-アミロイド)の蓄積を防ぐ働きがあるんです」

つまり、このDHAとEPAは、認知症を両面から防ぐ、うってつけの食材と言える。この効果をさらに高めるのが「緑の野菜」だ。
「アメリカのラッシュ大学の研究者が65歳以上の男女3718人を対象に記憶力テストを行ったところ、野菜を多く食べる群は、あまり食べない群に比べて記憶力が低下するリスクが40%も低くなりました。特に、緑の野菜が認知症予防に効果的です」(生田氏)
サバやイワシの付け合わせは大根おろしが一般的だが、ほうれん草やブロッコリーなど緑黄葉野菜を添えるなど、食材の組み合わせを工夫すれば、予防効果もより高くなるわけだ。
インド人に患者が少ない理由

また、野菜をサラダで食べるときも、市販のドレッシングやマヨネーズよりオリーブオイルと塩のほうがいい。ドレッシングやマヨネーズには血管のしなやかさを失わせ、認知症を誘発する恐れがあるサラダオイルが使われているからだ。

その点、『脳を老化させない食べ物』(主婦と生活社)などの著書がある、医学ジャーナリストの山田雅久氏は、「オリーブオイルは世界的にアルツハイマーの予防効果が認められた食材」と語る。
「コロンビア大学の研究では、オリーブオイルをメインにした地中海料理を食べている人は、アルツハイマーになる確率がほぼ半分になるという結果でした」

なお、150万人を対象としたフィレンツェ大学の研究でも、地中海沿岸地域の住人はアルツハイマーになる人が少ないことが明らかになっている。これも、オリーブオイル効果とは無関係ではなさそうだ。
ポリフェノールを多く含み、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを減らすと、近頃注目を集めているだけに、スーパーで売っているようなハーブ入りの塩などを混ぜてサラダにかければ、アッサリとしてうまいうえに健康効果も期待できるのだ。
食事や休憩時間の飲み物にも、脳に良い物がある。その筆頭は緑茶。緑茶の渋みや苦味成分のカテキンは、静岡県立大学の山田浩教授の研究で、物忘れなどの近時記憶を改善させる効果があることが明らかになっている。
また、カテキンには、前述したβ-アミロイドの蓄積を抑えるばかりか、分解する効果も確認され、「一日3杯の緑茶で認知症発症リスクが抑えられた」という疫学調査も報告されている。

「オレはコーヒー党なんだけど」という方も心配はいらない。前出の山田氏によると、コーヒーにも同じ効果が期待できるという。
「ある追跡調査で、中高年期に毎日コーヒーを3~5杯飲む人は、それ以下の人と比べて、認知症リスクが65%少なくなるという結果が出ています」
コーヒータイムのお茶受けに最適なのが、チョコレート。特に、カカオの含有量が多いダークチョコレートがオススメだ。

「カカオは血流を良くして認知力を向上させる働きがあります。米国ハーバード大学で、被験者にカカオ成分が多いココアを毎日2杯飲ませる実験を行ったところ、1週間で8%、2週間で10%も脳血流が良くなったことが報告されています」(山田氏)

ちなみに、酒を飲むなら、米国やオランダの研究で「アルツハイマーのリスクが半減する」ことが認められた赤ワインがベストだろう。

さて、ファミレスやコンビニの定番になっている、身近な食べ物の中にも、認知症予防につながるものがある。カレーもその一つ。
「世界的にアルツハイマー患者が非常に少ないのはインド。これはカレーを常食しているおかげと言われています。カレーに欠かせないスパイス・ウコンには、クルクミンという成分が含まれています。これには記憶力の低下を抑える効果が確認され、マウスの実験でもクルクミンを少量与えるとβ-アミロイドの蓄積によってできるプラーク(老人斑)が40%少なくなるという結果が出ました」(前出の生田博士)

カレーはみそ汁同様、どんな具材にもマッチする。前述した緑の野菜や、脳の炎症を防ぐ作用があるセロリなどを刻んで入れたい。また、卵料理も認知症予防には効果がある。
「卵に含まれるコリンは脳内神経伝達物質のアセチルコリンの材料になります。アルツハイマー患者の脳にはアセチルコリンが少なく、アセチルコリン不足が認知症の原因とも考えられています。認知症予防のためにも、一日に卵2個を食べるのが理想です」(山田氏)

他にも、レバー、玄米、ホタテ、カキ、イカなどに多く含まれるナイアシン(ビタミンB群)は米国でアルツハイマーに効果があるとして注目されている。
また、ナイアシンに限らず、ビタミンB群は脳の機能維持に欠かせない成分。たとえば、B12の血中濃度が高い人は低い人に比べて、脳の萎縮が6分の1に抑えられたという報告もある。
大豆加工食材を食らうべし!

昨今は牛豚ともレバーの生食ができなくなってきているが、料理研究家のオガワチエコさんが推奨するのは、鶏のレバー。
「鶏のレバーを沸騰したお湯に浸け、そのまま火をかけずにしばらく放置します。中まで熱が伝わって色が変わった頃に取り出して、ゴマ油、ニンニク、塩または醤油で和えると、レバ刺しに似た食感が楽しめます」

他にも、ここ数年、認知症予防食品として世界的に注目されるようになっているのがクルミだ。クルミは脳血管を守る「オメガ3脂肪酸」も豊富で、β-アミロイドの蓄積を阻害する働きもある。
スペインのエミリオ・ロス博士などの研究でも、記憶の司令塔である海馬の働きをよくして、批判的思考力や言語的な推理能力を著しく向上させるという報告がなされている。
「クルミはひと手間かけると、さらにおいしくなる食材です。ハチミツに和え、クリームチーズを添えればおつまみになり、ミキサーでクルミとバナナ、豆乳などを混ぜると、栄養満点のジュースになります」(前出のオガワさん)
その豆乳の材料となる大豆も、前述の卵と同じくコリンを多く含み、脳に良い食品。豆腐、納豆、厚揚げ、ガンモドキ……。何を食べるかは、その日の気分で!

なお、今回取材に協力していただいた山田氏は今年58歳になるが、物忘れが気になり始めていたという。
「そこで実験的に脳にいい食品を食べてみたんです。週に3回はカレーを食べ、朝はココア、夜はクルミをつまみに赤ワインを飲む生活を続けたところ、数か月で物忘れが確実に減ったと実感しています」

読者の皆さんも、「おいしい脳の活性法」をやってみてください!

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