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夏バテより怖い!重病の元となる「秋バテ」予防術

[週刊大衆09月14日号]

夏バテより怖い!重病の元となる「秋バテ」予防術

暑さもやわらぎ、過ごしやすいはずなのに、なぜだか調子が悪い……。実は9月こそ体は大ピンチなのだ!

"秋バテ"という言葉を聞いたことがあるだろうか。
"夏バテなら知ってるけど……"と、けげんに思われる読者もいるかもしれない。

だが、この言葉、医療関係者の間ではよく知られているという。
『奥ノ山医院』(東京都世田谷区)の奥山公道院長(内科・医学博士)が、こう解説する。
「9月末ともなれば、日中はまだまだ汗ばむ陽気でも、朝晩は涼しく過ごしやすくなります。それにもかかわらず、これといって思い当たる原因もないのに、体がだるい、胃腸の調子が悪いといった、体の不調を訴える患者さんが、毎年秋口には必ず出て来ます。こうした体のさまざまな症状を"秋バテ"というんです」

そんな秋バテの主な症状は、文末の表に掲げた通りだが、早くもそれを訴える患者が相次いでいるという。
「8月25日には、急な腰痛の患者さんが5人もいらっしゃいました」
と驚くのは、『和光治療院・漢方薬局』(千葉市)で治療を行っている薬剤師で鍼灸師の平地治美氏。

その日、首都圏は厚い雲に覆われ、日中の最高気温は約23度。10月上旬並みで、半袖だと少しヒンヤリ感じられた。
「急に涼しくなったものの、今まで通り半袖、半ズボンなどの格好で過ごし、体を冷やしたことが原因でしょう」(前同)

また、さまざまな舌の状態から健康状態を判断する『舌を、見る、動かす、食べるで健康になる!』(日貿出版社)という著書も出している平地氏は、
「秋バテでよく見られる、"舌に白いコケのようなものが付く"症状は、胃腸の働きが弱って消化不良となり、老廃物が溜まっている状態です」
とも警告する。

それにしても、なぜ過ごしやすい秋口に、こうした不快な症状が出るのか?
「一つには寒暖の差があります。真夏は、ガンガンに冷えた室内と猛暑の屋外という、大きな気温差の間を行き来するため、自律神経が乱れます。そこに、秋口の朝晩と日中との大きな寒暖差が追い打ちをかけるんです」(前出の奥山院長)

夏バテは誰でも知っているし、熱中症で死に至る危険があることも同様に有名。そのため、真夏はよく注意し、また気も張っているから、体調を崩す人は意外に少ないという。
しかし秋口になり、涼しくなると、ホッとして気が緩む。そこに、これまでの夏の疲れが重なり、秋バテになるというわけだ。

さらに、奥山院長によれば、「秋の気候の変化も自律神経を乱す一因になる」という。
真夏は日本列島、特に太平洋側は高気圧に覆われ、天気のいい日が続く。ところが、秋口になると、天気がぐずつき、台風(低気圧)も頻繁に接近、ないしは上陸するようになる。

表
※0~3=ほぼ心配なし。4~7=兆候アリ。8以上=今すぐ病院へ

不調を放置すると脳梗塞にも

「そんなことで、と言うのは素人の考え。気圧の変化は、体に思った以上に大きな影響を与えます。たとえば、喘息持ちの方は台風が近づいて来ると、発作を起こすことはよく知られています。"喘息持ちの方は台風を予知する"といわれるほどです。気圧の変化が、内耳になんらかの影響を与える結果ともいわれます」(前同)

秋バテの症状の一つに、めまいや立ちくらみがあるが、内耳の働きが乱れると同じ症状が起きるという。では、胸焼けや胃もたれなどが起きるのは、どういうわけか。
「真夏は、どうしても冷たい物を多く食します。結果、胃腸の機能が低下します。それなのに、秋口になると"食欲の秋"といわれるように食べ過ぎる。そりゃあ、不調にもなるでしょう」(同)

さらに、結果、食欲不振にもなるというわけだ。
また、"自分は体力があるから関係ない"という方もいるだろうが、実はそういうタイプこそ危ないという。
「冷房の強風を浴びても平気、冷たい飲み物をよく飲む、ゴルフなど屋外のレジャーが好きという人ほど、秋バテのリスクが高いんです」(医療ジャーナリスト)

こうした人は夏バテもせず、真夏を乗り切れるので一見、健康に思えるが、
「自覚症状のないまま、冷房や冷たい飲食物による冷えが蓄積され、涼しくなる秋口に不調が一気に表面化してしまうんです」(前同)

もっとも、ここまで聞いても"たかが疲労や胃腸不良で……"と甘く見る方もいるだろう。
しかし、油断は禁物! なんと、この秋バテをこじらせると、最悪、死に至る危険もありうるのだ。
「熱中症のように、すぐさま死に至ることはありません。ですが、自律神経の乱れは、免疫や代謝にも悪影響を与えるので、感染症(風邪もその一種)にかかりやすくなります。風邪は万病の元ですし、不調のまま寒い冬に突入すると、免疫力が一層低下し、さらに全身の血の巡りが悪くなると、心筋梗塞や脳梗塞を併発することもありうるんです」

こう警告するのは、生活習慣病に詳しい医師。また、命の危険はなくとも、成人男性の場合、なんともショッキングな症状につながることがあるという。
「抜け毛です。夏場は強い紫外線で頭皮に負担がかかっています。それに加え、秋バテで自律神経が乱れ、ダメージが加速すると、頭皮の血行がさらに悪くなり、一挙に髪の毛が抜けるケースもあるんです」(前同)

なんとも恐ろしい秋バテだが、続いては具体的な予防術をお教えしよう。

○体を冷やさない服を着る
「涼しくなってきても、相変わらずハワイにいるような恰好をしていたら体を冷やし、さらに自律神経も乱してしまいます。気温をチェックし、涼しいなら秋用の服をきちっと着ましょう」(奥山院長)

それは睡眠時も同様だ。
「いつまでも夏布団のままでは寝冷えします。長袖、長ズボンのパジャマへの衣替えをちゃんとしましょう。日頃から、寝るときは腹巻の着用もお勧めしたいですね」(前同)

さらに、睡眠時間は、7時間は取りたい。
ウォーキングで体を温める!

○シャワーでなく入浴を
正しい入浴は自律神経の乱れを調整してくれる。
「半身浴で、やや汗ばむ程度の温度で20分以上、しっかり温まりましょう。その際、ふくらはぎをよく揉みほぐすと、全身の血行が良くなり、ベターです。シャワーでは体の芯まで温まりません」(前出の平地氏)

○適度な運動を
適度な運動も、自律神経の乱れを調整し、また体を温め、全身の血行を良くしてくれる。
「秋口でも相変わらず冷房を使用し、涼しくなっている屋外に出るのでは、汗もかかず、体は冷え、血行も悪くなる一方です。すると、体内に疲労物質が溜まり、疲れやすくなります。その点、ウォーキングなどの有酸素運動は、体に大きな負担をかけず、適度に汗をかき、体を温めてくれるので良い運動です」(奥山院長)

○やさしい食事を摂る
夏は冷たいものばかり食べてしまいがち。そのうえ、主食もさっぱりした素麺などになりがちだから、どうしても栄養価は低くなる。
「だから、秋はサンマ、牡蠣の鍋など、栄養価の高いものを食べ、体力をつけてもらいたいですね」(前同)

ただし、平地氏は、
「夏の間に、思った以上に胃腸は疲れているので、食べ過ぎないように」と注意を促す。
さらに、夏の間に消耗した体は、思った以上に干からびているという。
「秋の体は脱水気味なんです。そんな体に良くないのがアルコール、辛いもの、脂っこいもの、味の濃いものです」
体内の水分を排出してしまうこれらの食品は、できるだけ控えよう。

最後に、平地氏お勧めの2つの食材を紹介してもらった。
「梅干しのおかゆ。この食材は疲れた胃腸を休ませ、また十分な水分、塩分が含まれているので、脱水の予防にももってこいです。それから、簡単に作れるものとして梨のホットジュースもお勧めです。市販の生姜湯に梨を4分の1~半個すりおろして加えます。同じ量のすりおろした梨を水で薄め、温めて飲んでもいい。その場合、黒砂糖を少量加えても良いです」

梨にはタンパク質の消化に良いとされる酵素が含まれているので、秋バテ特有の胃もたれや食欲不振に、効果てきめんだという。

以上のアドバイスに留意し、重大病にも発展しかねない秋バテを、今すぐ撃退していただきたい。

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