夏バテより怖い!重病の元となる「秋バテ」予防術の画像
夏バテより怖い!重病の元となる「秋バテ」予防術の画像

暑さもやわらぎ、過ごしやすいはずなのに、なぜだか調子が悪い……。実は9月こそ体は大ピンチなのだ!

"秋バテ"という言葉を聞いたことがあるだろうか。
"夏バテなら知ってるけど……"と、けげんに思われる読者もいるかもしれない。

だが、この言葉、医療関係者の間ではよく知られているという。
『奥ノ山医院』(東京都世田谷区)の奥山公道院長(内科・医学博士)が、こう解説する。
「9月末ともなれば、日中はまだまだ汗ばむ陽気でも、朝晩は涼しく過ごしやすくなります。それにもかかわらず、これといって思い当たる原因もないのに、体がだるい、胃腸の調子が悪いといった、体の不調を訴える患者さんが、毎年秋口には必ず出て来ます。こうした体のさまざまな症状を"秋バテ"というんです」

そんな秋バテの主な症状は、文末の表に掲げた通りだが、早くもそれを訴える患者が相次いでいるという。
「8月25日には、急な腰痛の患者さんが5人もいらっしゃいました」
と驚くのは、『和光治療院・漢方薬局』(千葉市)で治療を行っている薬剤師で鍼灸師の平地治美氏。

その日、首都圏は厚い雲に覆われ、日中の最高気温は約23度。10月上旬並みで、半袖だと少しヒンヤリ感じられた。
「急に涼しくなったものの、今まで通り半袖、半ズボンなどの格好で過ごし、体を冷やしたことが原因でしょう」(前同)

また、さまざまな舌の状態から健康状態を判断する『舌を、見る、動かす、食べるで健康になる!』(日貿出版社)という著書も出している平地氏は、
「秋バテでよく見られる、"舌に白いコケのようなものが付く"症状は、胃腸の働きが弱って消化不良となり、老廃物が溜まっている状態です」
とも警告する。

それにしても、なぜ過ごしやすい秋口に、こうした不快な症状が出るのか?
「一つには寒暖の差があります。真夏は、ガンガンに冷えた室内と猛暑の屋外という、大きな気温差の間を行き来するため、自律神経が乱れます。そこに、秋口の朝晩と日中との大きな寒暖差が追い打ちをかけるんです」(前出の奥山院長)

夏バテは誰でも知っているし、熱中症で死に至る危険があることも同様に有名。そのため、真夏はよく注意し、また気も張っているから、体調を崩す人は意外に少ないという。
しかし秋口になり、涼しくなると、ホッとして気が緩む。そこに、これまでの夏の疲れが重なり、秋バテになるというわけだ。

さらに、奥山院長によれば、「秋の気候の変化も自律神経を乱す一因になる」という。
真夏は日本列島、特に太平洋側は高気圧に覆われ、天気のいい日が続く。ところが、秋口になると、天気がぐずつき、台風(低気圧)も頻繁に接近、ないしは上陸するようになる。

表
※0~3=ほぼ心配なし。4~7=兆候アリ。8以上=今すぐ病院へ
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