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【武豊】大恩ある調教師の先生3人が引退

[週刊大衆03月21日号]

 人生、出会いがあれば別れもあります。思い出が多ければ多いほど、胸に迫ってくるものがありますが、それをぐっと押し込んで、笑顔でお別れを言いたい――。今年、定年のため引退される橋口弘次郎先生、松田博資先生、武田博先生との別れが待っている2月の最終週、29日はそんな気持ちで競馬場に向かいました。

 大調教師、武田文吾先生を父に持つ武田博先生は、騎手時代、“ナタの切れ味”と称されたシンザンや、レース中、予後不良となるほどの重傷を負いながら、コース上に横たわる騎手の元へ一歩一歩近付いていき、その安否を気遣うように鼻先をすり寄せたというキーストンにも騎乗した経験をお持ちです。僕もメイショウナルトとのコンビで、13年の「小倉記念」を勝たせていただきました。

 松田博資先生にいただいたご恩は、言葉では言い尽くせないほどです。「桜花賞」「オークス」の二冠に輝いたベガ。父ブライアンズタイムの血を受け継いだ砂の王者、タイムパラドックス。「ドバイDF」を制したアドマイヤムーン……たくさんの名馬に乗せていただきました。

 JRA通算991勝。地方13勝。海外2勝の併せて1006勝を挙げた名伯楽、橋口弘次郎先生とは、歓喜の瞬間も、悔しさで眠れなかった夜も、ともに経験させていただきました。06年の「ゴドルフィンマイル」を勝ったユートピア。10年の「ジャパンカップ」を制したローズキングダム……先生の期待に応えられたことが、騎手としての成長につながりました。

 その逆、絶対に勝つ、勝てると120%の自信で臨んだダンスインザダークとの「日本ダービー」では、まさかの2着。歯ぎしりをするほどの悔しさ、勝負事の難しさ、競馬は最後まで何があるか分からないということをあらためて教えていただきました。後を引き継ぐ者のひとりとして、これからも競馬のすごさ、愉しさ、厳しさ、面白さを、ひとりでも多くの人に伝えたいと思います。

 気持ちを新たに、今週末に行われる競馬です。中山、阪神に中京が加わり3場開催となる3月12、13日は、4つの重賞レースが行われる予定ですが、この中で僕が参戦するのは、13日、阪神競馬場で行われるGII「フィリーズレビュー」(芝1400メートル)。3着までに優先出走権が与えられる桜花賞のトライアルレースです。

 99年フサイチエアデールは、中段からの差し切り。2度目、07年のアストンマーチャンは3番手からの競馬で後続を突き放し、3度目、一昨年のベルカントでは、内ラチ沿いの4番手から直線で抜け出し、勝利を挙げています。

 今年、僕のパートナーを務めてくれるキャンディバローズとは今回が初めてのコンビになりますが、スタートセンスの良さと、直線でしっかりと伸びてくる末脚はかなりのもの。本番・桜花賞に向けて、内容のあるレースをしたいと思います。ご期待ください。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GⅠ制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】大恩ある調教師の先生3人が引退

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