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【武豊】小回りで難しいからこそ大好きな小倉競馬場

[週刊大衆2016年08月08日号]

 鬱陶しい梅雨が明け、今週末から、待ちに待った小倉競馬が開幕します。夏休みシーズンということもあって、家族連れを多く見かける小倉は、阪神、京都、中京、中山、東京といったGIレースが行われる競馬場とはまた、一味も二味も違った魅力がいっぱい詰まった競馬場です。

 新幹線が十数分間隔で走るようになった今、長期間、小倉に滞在することはなくなりましたが、僕がデビューした当時は、ずっと小倉に滞在するのが当たり前。平日の夜は、小倉のお店を知り尽くした兄弟子、河内洋さん(現・調教師)の後ろにくっついて歩き、あちこちで美味しい料理やお酒を味わったものでした。

 下関直送のタイやヒラメやウニ……想像しただけでニヤニヤしてしまいそうです(笑)。昨年は、ミルコ・デムーロ、クリストフ・ルメールを馴染みの店に案内しましたが、2人とも、「オイシイ」を連発。騎乗スタイル同様、一切遠慮なしで、小倉の味に舌鼓を打っていました。

 夏の小倉で行われる重賞レースは、30日に行われる「小倉サマージャンプ」を入れて、全部で4つ。8月7日の「小倉記念」。21日に「北九州記念」。ラスト、9月4日が「小倉2歳ステークス」。毎週のように重賞競走が組まれる春競馬、秋競馬と比べると、華やかさには欠けますが、小倉には、それを補って余りある暑さと熱さがあります。

 ――平坦小回りのコースを、いかにして自分の味方につけるか!?

 力差が圧倒的な場合はどうにもならないこともありますが、ハナ差、アタマ差、クビ差という僅差の勝負なら、十二分に逆転することは可能です。

 これまで、「小倉記念」は3度……04年、05年はメイショウカイドウで連覇。13年はメイショウナルトで優勝。「北九州記念」は、91年のムービースターを皮切りに、97年にダンディコマンド、03年にミレニアムバイオ、05年にメイショウカイドウ、そして昨年は、ベルカントとともに5度目の戴冠。最後の「小倉2歳S」も、05年にアルーリングボイスをパートナーに、勝利することができました。

 ――ということは、小倉は好きな競馬場なんですね?

 もちろんです。誰とは言いませんが、とにかく暑いのがだめで、1レースが終わるごとにフーフー言っているジョッキーがいる中、僕はまるで平気。いや、むしろ暑くなればなるほど、俄然、やる気が増してくる感じで。「マジですか!?」「羨ましい」という言葉を聞くたびに、こんな丈夫な体質に生んでくれた親に感謝せずにはいられません。

 小倉で唯一の不安は……小倉の調整ルームには、お化けが出るという噂があることくらいでしょうか。でもそれも、ずいぶん前に先輩たちがしていた話で、最近は、まるで聞かなくなりましたから、ほぼほぼ大丈夫かなと(笑)。今年の夏は暑い小倉を目いっぱい楽しみながら、最高の騎乗をしたいと思います。皆さんも、機会があったら、ぜひ、小倉競馬にどうぞ。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】小回りで難しいからこそ大好きな小倉競馬場

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