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体調不良を招く「スマホの危険な使い方」とは

[週刊大衆2017年02月13日号]

体調不良を招く「スマホの危険な使い方」とは

 使いこなすのが大変……程度ならまだしも、触れるたびに健康に支障をきたしている!? 中高年の身近な敵を大調査!

 機械なんてよく分からないという人にすら、必需品となりつつあるスマートフォン。メールやLINEを送るたびに、四苦八苦している人も多いだろう。一方で、電話はもちろんのこと、いつでもネットを使える利便性や、孫の写真を撮るなどの楽しみも、きっとあるはずだ。

 そんな必須アイテムが、実は、中高年世代の体に深刻な体調不良を招いているとしたら……。しかも最悪の場合、生死にも関わる重大リスクを秘めている可能性があるとすれば、どうだろう。そこで今回は、読者の皆さんにぜひとも知ってもらいたい、携帯電話の危険な使い方を徹底取材した!

 スマホを使っていて最も分かりやすい異変と言えるのが、目に関するものだろう。字が小さくて読めないと目を凝らしたり、あるいは近づけてみたりと、苦労している人も多いはずだ。

「画面を見るときというのは、目は近くにピントを合せることになりますし、瞬きの回数も少なくなります。そのこと自体が目の疲労を生むうえに、スマホ画面から発せられるブルーライトという光が、目の最奥部まで届いて視神経を興奮させるのです」 こう話すのは、『奥ノ山医院』(東京都世田谷区)の奥山公道院長(医学博士)だ。

 ブルーライトは、網膜にダメージを与え、目に痛みや疲れをもたらすもので、厚生労働省もスマホを1時間使ったら、15分の休憩を呼びかけるほど、害があるものなのだ。このブルーライトや、先に述べたスマホ利用時の目の変化が負担となるため、「毎日のように画面を見続けていることで、知らず知らずの間に目のピント調節がうまくいかなくなったり、見えづらい、かすむ、しょぼしょぼするなどの症状につながります。またドライアイも誘発します」(前同)

 一日数回の動作であれば問題はないが、スマホは毎日何回も使うもの。基本的には、症状は悪化していく一方なのだ。しかも、「画面が小さいガラケーはスマホに比べ、ブルーライトは少ないですが、スマホ同様、目の不調を引き起こします」(同)

 ガラケーとは、従来から使われている、主に折り畳み式の携帯電話のことで、読者の中にも使っている人は多いはずだ。スマホにしろガラケーにしろ、目に負担がかかるのは変わらないのだ。そのうえ、携帯電話が招くのは目の不調だけにとどまらない。 「電話を操作する際の猫背気味の姿勢が、首や、背骨の上部にある頸椎と胸椎のちょうど境目に大きな圧をかけるのです。結果として、椎骨動脈から脳に十分な血液を供給できなくなり、肩こり、めまい、吐き気、手足のしびれといった症状をも招くんです」(同)

 これを専門用語では「椎骨脳底動脈症候群」と言うそうだが、『宮元通りクリニック』(東京都大田区)の渡会敏之院長によれば、「脳への血流が悪くなることで、最悪の場合、脳梗塞を招く可能性もあるのです。また、椎骨には自律神経も通っていますから、そこが圧迫されてうつ病を発症、その影響で自殺する危険性すらないとは言えません」 この椎骨脳底動脈症候群で導かれるうつ病や精神不安定を警鐘する医師の声は、日に日に高まっているという怖いものなのだ。

 東京都台東区の『スポーツ整体WALKIN』の院長で整体師である渡辺真一氏も、「成人の頭の重さは、およそ6キロ。ボウリングの球に相当する重さがありますから、猫背の状態では、首に過度の負担がかかり、頭部への血流を阻害。結果、さまざまな体調不良を引き起こします」と指摘。たかがスマホと侮ることはできないのだ。

 たとえ最悪の事態を招かずとも、携帯電話の使用は体の節々の痛みや違和感をもたらすことがある。肘に軽い痛みやしびれをもたらす「スマホ肘」も、その一つだ。「スマホを使用する際、機器を片方の手に持った状態で、さらに親指一本で画面の操作をするなど、ふだんの生活ではなじみのない動きをします。結果、これが肘の筋肉に炎症を起こしてしまうのです。スマホ肘は正確には『上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)』と言います」(前同)

 現代社会特有の腱鞘炎とも言えるこの症状は、放置しておくと痛みが増し、他の症状をも引き起こす厄介なもの。しかも、スマホのみならず、ガラケーやパソコンのマウスを使っていても引き起こされるのである。「ひと昔前は、テニスやゴルフなどのスポーツをしている人特有のものでしたが、最近増えていて、それが原因と思われる肩こりや頭痛に悩む中高年の方が多くいらっしゃいます」(同)

 眼精疲労やドライアイなどの目の症状から始まり、肩こり、手足のしびれ、吐き気、目まい、さらには、うつ病から脳梗塞と、スマホとガラケーは万病のもとと言い切れるのだ。それらを回避するために何をすべきなのか――。ここからは専門家3人の対策術を公開しよう。

 まずは、前出の奥山院長が目の症状軽減策について、こうアドバイスする。「スマホ画面と目の間隔をなるべく多く取るだけでも、目の負担が軽くなります。また、画面を近づけないと字が読めないという人は、画面を見た後、遠くの物を見てピント調節をリセットするといいでしょう。さらに、+1度、もしくは+2度の老眼鏡をかけるのもオススメです。老眼鏡は100円ショップで売っている物でも構いません。+1度の物か、あるいが+2度の物かは、老眼鏡をかけて見て、目が疲れにくいほうを選んでください」 また、ドライアイ対策としては、こまめな瞬きを意識して行うのも効果的だという。

 避けたい使い方のシチュエーションは、目へのダメージが大きくなる「睡眠不足の状態」、画面が揺れることで眼精疲労を助長する「電車や車に乗っている際」と「歩行中」、また「暗い場所」だという。他方、目の最大の敵ともいえるブルーライトの対策としては、スマホ画面の明るさを低く設定したり、ブルーライトを低減するための画面シートを利用することが望ましいそうだ。この画面シートは、電器店で簡単に購入することができる。

 目に続いて紹介するのは、“スマホ姿勢”がもたらす諸症状への対策だ。前出の渡辺院長が以下のやり方を教えてくれた。まずはイスに座ってほしいが、その際、前屈みになりやすいようにイスの前のほうに軽く座る。その状態で両手を上に上げ、後ろに少し反らせる。そこから上半身を前方に徐々に倒し、同時に、両手を両足の前に持っていく。この体勢で両足の母趾球(足の親指の付け根の裏側にあるふくらみ)に力を入れながら、首の力を抜いて頭をダラリと垂らし、息を深く吸って吐くのを4回繰り返せば、スマホ使用による悪い姿勢から筋肉が解放されるのだ。

 また、姿勢を元に戻す際には、背骨を意識しながら、上半身を徐々に上げていってほしい。「頭を完全に重力に任せ、首に無駄な重さをかけないのが最大のポイントです」(渡辺院長) 携帯電話を操作して違和感が出たら、そのつど、試してほしい。

 前出の渡会院長がオススメするのは、なんとも簡単な方法だ。「首周辺が疲れたなと思ったら、両手を上げて手先を組み、後ろに数回反らすだけ」(渡会院長) 渡会院長は続けて、スマホ肘の対策を、次のように伝授する。

 まずは、携帯電話を使う手の肘を、別の手の上に乗せる。そのまま、電話を持つほうの手首を回すのだが、親指を少し反り気味の状態でキープするのが重要だ。手首を十分に回したら、今度はそのまま、携帯電話を持つ手の肘から上を回してほしい。肘に痛みを感じたときにはもちろんのことだが、携帯電話を長時間使用した際にやれば、痛みを感じるのを回避することができる。「中高年世代の方々は、携帯電話を使い慣れているわけではないので、体に違和感や異変を感じやすいと言えます」(大学病院医師)

 身近で不可欠な機器でありながら、実は、深刻な症状をもたらすスマートフォン。“たかが”と侮らず、ぜひとも注意してほしい。

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