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【武豊】急逝したダートG1馬ゴールドアリュールとの思い出

[週刊大衆2017年03月13日号]

ボートレース戸田
https://www.boatrace-toda.jp/
GⅢ 戸田マスターズリーグ第10戦・週刊大衆杯

――えっ!? 何のこと? 一瞬、頭の中が真っ白になり、「ゴールドアリュール“心臓疾患”亡くなった」……といった言葉だけがぐるぐると駆けまわっていました。

 人は、思いもかけないことに出くわすと思考が停止してしまうというのは本当ですね。G1「フェブラリーステークス」の前日に突然飛び込んできたゴールドアリュールの訃報に、僕はしばらく言葉が出てきませんでした。

 父 サンデーサイレンス
 母 ニキーヤ
 デビューは2001年11月11日。京都競馬場で行われた2歳新馬戦、芝1800メートルのレース(2着)でした。ここから6戦目まではすべて芝のレースで、3戦目「ホープフルS」(4着)で初めてコンビを組んだときの印象は、能力はあるけどレースではうまく噛み合わない……というものでした。

 そんな彼と再びコンビを組んだのは、日本ダービー(5着)後の、02年7月4日。大井競馬場で行われた交流G1「ジャパンダートダービー」の舞台です。この時の彼の走りは、言葉ではうまく表現できないほどの衝撃でした。速い。すごい。強い。――感動が背骨に沿って駆け上がってきた……とでも言ったらいいのでしょうか。後続を7馬身もちぎってゴールしたその瞬間、体中がぞくぞくしたのを覚えています。

 2着に10馬身差、盛岡のファンの度肝を抜いた「ダービーグランプリ」。僕に大井競馬場での初勝利をプレゼントしてくれた「東京大賞典」。JRAでつかんだ大きな勲章「フェブラリーステークス」。イラク戦争の勃発によってドバイワールドカップ参戦の扉は閉ざされましたが、世界を舞台にしても、勝負になる能力を十分に持っていました。

 G1・9勝のエスポワールシチー。6勝のスマートファルコン……彼の血を受け継いだ仔どもたちとも、いい思い出が多くあります。

「弔いになれば……」 そんな思いで臨んだ同じくゴールドアリュールの仔、コパノリッキーとのコンビで挑んだG1「フェブラリーステークス」は、力及ばず(14着)でしたが、優勝したのは同じ産駒のゴールドドリーム。勝利を見届けた彼も、きっと天国で目を細めていることだろうと思います。

 早いもので競馬カレンダーは今週から3月。クラシックへの戦いが始まります。今週も多くの馬に騎乗させていただきますが、その中でも期待の一頭は……チューリップ賞に参戦するリスグラシューです。

「桜花賞指定オープン」として行われていた時代は、ベガとシヨノロマン。G3に格上げされた94年以降、アドマイヤキッス、クロフネサプライズと計4勝しているこのレースは、3着までに「桜花賞」の優先出走権が与えられる大事なレースです。

 まだ前哨戦……そんな気持ちは微塵もありません。ここを勝って、胸を張って本番に臨みたい。みなさん、リスグラシューの走りに期待していてください。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算4000勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

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