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スシロー、くら寿司、かっぱ寿司「回転寿司御三家」の企業努力戦争

[週刊大衆2017年04月24日号]

スシロー、くら寿司、かっぱ寿司「回転寿司御三家」の企業努力戦争

 鮪にいくらに穴子と、国民的アイドルが踊るレーンの後ろでは、“業界御三家”が満身創痍の事態に……。内情を明かす!

 安くて美味い、庶民の味方“回転寿司”の行方が、経済界で注目されている。端緒は、メキメキと頭角を現し、今や業界最大手の『スシロー』を運営する、スシローグローバルHDが3月30日、東証一部に再上場を果たしたことだ。

「2009年に東証二部で上場廃止になって以来、8年ぶりの株式市場復帰。この再上場を記念して、“スシローうまさ上々祭”という、厳選した人気ネタを税込108円で提供する大盤振る舞いの大キャンペーンを展開し、全国の各店舗で連日の大行列となりました」(経済誌記者)

 自ら門出を祝い、業界トップの座をより盤石にしたいところだったが、株価は公開価格3600円に対し、約5%下回る3430円でスタート。結局、初日の終値は3410円と、“サビ抜きの寿司”のように、どうにもピリッとしなかった。

「回転寿司業界の市場規模は、この10年で1.5倍に拡大しており、現在の日本では数少ない安定成長市場とされていました。ところが、今回のスシローの再上場は、業界の置かれている厳しい状況を炙り出したように見えます」(前同)

 事実、苦戦を強いられているのはスシローだけではない。業界の御三家と並び称される、『くら寿司』『かっぱ寿司』も同様だ。「3月に発表された、くら寿司の運営会社の連結決算を見ると、売上高は7.3%増と堅調ながら、営業利益が23.1%減で、金額にして4億円以上の減益。かっぱ寿司に至っては、16年4~12月期の決算で、6億6200万円の営業赤字に転落し、17年3月期も9億3400億円の赤字が見込まれていますから、かなり深刻です」(前同)

 確かに市場は成長を続け、店内は活況を呈しているが、客が舌鼓を打つ裏で、各社は青息吐息というのが実情なのだ。「これまでの回転寿司業界の発展拡大は、各チェーンの激しい競争が原動力となってきました。ところが今では、その企業努力合戦が、自分たちの首を絞めているように見えます」(同)

 各社、個性や魅力をアピールせんと、新たな設備投資やサイドメニューの開発に取り組んできているが、「多彩なサイドメニューは客にとってはうれしい魅力ですが、寿司以外のメニューでは店員の作業工程が増えるため、それを補う人員が必要になります。言い換えれば、サイドメニューの充実には、多大な人件費が必要になるんです」(同)

 御三家のメニュー表を見れば、牛丼、焼肉丼、天丼といった丼物から、鯛だし塩ラーメン、かけうどんなどの麺類まで充実。さらに、スイーツは洋菓子店顔負けのラインナップで、しまいには香り高いコーヒーまで揃えているのだ。また、健全な経営状態の飲食店の原価率は通常、20~30%といわれているが、“安い美味い”を追求する回転寿司チェーン各社の原価率は、40~50%とかなり高いことも苦境の一因となっているようだ。

「輸入食材が多い分、為替の影響を受けやすいのもマイナス要因の一つ。低価格を実現するために輸入食材を積極活用していたかっぱ寿司は、円安への転換で食材価格の高騰をモロに食らってしまいました。とはいえ、すでに浸透した値段を簡単に上げることはできない。これでは原価率が上がるばかりですから、苦しくなるのも当然です」(飲食店コンサルタント)

 また他の飲食店に比べて、ベルトコンベアや寿司ロボットなど、初期投資額が大きいのも要因となる。1店舗当たりの開店費用は、数千万円から1億円も必要とされており、初期の設備投資が経営を圧迫しているケースも多いのだという。

 では今後、回転寿司はどうなってしまうのか。回転寿司をこよなく愛する“回転寿司の応援団長”ことB級グルメ王・柳生九兵衛氏は、「数字上は確かにシビアな現実もありますが、まだまだ伸びしろが十分にあると思います」と熱く語り、次のように続ける。

「これまでの回転寿司は、子どもをいかに取り込むかに力を入れていました。しかし現在は、子どもも大事にしながら、大人の客を満足させるべく、クオリティを上げようと、さまざまな企業努力を行い、各チェーン独自の新たな魅力が加わり始めているからです」

 では、各社はどのような策を練っているのか――。たとえば、スシローだが、「カウンター席一つとっても、従来の店によく見られた固定の高椅子ではなく、落ち着いて座れる背もたれのついた幅の広い椅子を採用。居心地のいい店づくりを実現しています」(前同)

 それを迎え撃つくら寿司については、「サイドメニューの力の入れ具合が半端じゃありません。『シャリカレー』は、もはやサイドのレベルを超えています。『すしやのうな丼』も納得の味で680円(税別)と、お財布の安心をも両立した、素晴らしい商品です!」(同)

 さらに、スシローが割引特典を受けられるポイント制度を導入すれば、くら寿司は全国で使える楽天ポイントに参加して応戦。くら寿司が無添加を掲げ続ければ、スシローはマグロがレーンを350メートル回ったら自動廃棄される新システムを導入。

 こうした2強に対し、後塵を拝していたかつての王者、かっぱ寿司だったが、昨年10月から“代紋”であるロゴを一新。“脱かっぱ”を図って、逆襲に転じる構えを見せたのだ。

 仁義なき戦いに突入した回転寿司業界。ここは食べて応援するしかない!

スシロー、くら寿司、かっぱ寿司「回転寿司御三家」の企業努力戦争

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