スシロー、くら寿司、かっぱ寿司「回転寿司御三家」の企業努力戦争の画像
スシロー、くら寿司、かっぱ寿司「回転寿司御三家」の企業努力戦争の画像

 鮪にいくらに穴子と、国民的アイドルが踊るレーンの後ろでは、“業界御三家”が満身創痍の事態に……。内情を明かす!

 安くて美味い、庶民の味方“回転寿司”の行方が、経済界で注目されている。端緒は、メキメキと頭角を現し、今や業界最大手の『スシロー』を運営する、スシローグローバルHDが3月30日、東証一部に再上場を果たしたことだ。

「2009年に東証二部で上場廃止になって以来、8年ぶりの株式市場復帰。この再上場を記念して、“スシローうまさ上々祭”という、厳選した人気ネタを税込108円で提供する大盤振る舞いの大キャンペーンを展開し、全国の各店舗で連日の大行列となりました」(経済誌記者)

 自ら門出を祝い、業界トップの座をより盤石にしたいところだったが、株価は公開価格3600円に対し、約5%下回る3430円でスタート。結局、初日の終値は3410円と、“サビ抜きの寿司”のように、どうにもピリッとしなかった。

「回転寿司業界の市場規模は、この10年で1.5倍に拡大しており、現在の日本では数少ない安定成長市場とされていました。ところが、今回のスシローの再上場は、業界の置かれている厳しい状況を炙り出したように見えます」(前同)

 事実、苦戦を強いられているのはスシローだけではない。業界の御三家と並び称される、『くら寿司』『かっぱ寿司』も同様だ。「3月に発表された、くら寿司の運営会社の連結決算を見ると、売上高は7.3%増と堅調ながら、営業利益が23.1%減で、金額にして4億円以上の減益。かっぱ寿司に至っては、16年4~12月期の決算で、6億6200万円の営業赤字に転落し、17年3月期も9億3400億円の赤字が見込まれていますから、かなり深刻です」(前同)

 確かに市場は成長を続け、店内は活況を呈しているが、客が舌鼓を打つ裏で、各社は青息吐息というのが実情なのだ。「これまでの回転寿司業界の発展拡大は、各チェーンの激しい競争が原動力となってきました。ところが今では、その企業努力合戦が、自分たちの首を絞めているように見えます」(同)

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