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高橋由伸監督への苦言は大きなお世話? 大物OBたちの「巨人批判」大検証

[週刊大衆2017年07月17日号]

高橋由伸監督への苦言は大きなお世話? 大物OBたちの「巨人批判」大検証

 後輩たちを思えばこその“親心”でも度を越してしまえば大きなお世話。いささか過激で有名すぎる応援団はチームの勝利で黙らせるしかない!

 球団ワースト記録の13連敗以降もなかなか調子が上がらず、Bクラスを低迷する読売巨人軍。最大の原因は、とにかく打てないこと。チーム打率は.240とリーグ4位で、本塁打数も42本でリーグ5位(首位の広島は75本)。総得点225が失点の268を大きく下回るようでは、勝てるはずがない(数字は6月29日時点)。

「今、ジャイアンツはすごく空気悪いよね。みんな、不安になってるよ」とは、巨人軍OB会副会長で前横浜監督でもある“絶好調男”中畑清氏が、6月11日にテレビ東京『SPORTSウォッチャー』に出演した際の発言。中畑氏だけではなく、あまりの“絶不調”ぶりに、栄光の巨人軍OBたちから、次々と手厳しい声が飛んでいる。

 最も舌鋒鋭く巨人批判を繰り返しているのが、監督としてヤクルトと西武を日本一に導いた“管理野球の鬼”広岡達朗氏。<今の巨人軍は、伝統のユニホームが似合わない選手が多すぎる>(6月8日「サンケイスポーツ」) <チーム野球をやってきていないツケが回っている。高橋監督も勉強不足だ>(6月6日「THEPAGE」) <いい選手を集めれば勝てるわけではない。それは球宴でお祭り>(6月9日「サンケイスポーツ」)などなど、6月だけで6回も、スポーツ紙や週刊誌で巨人に苦言を呈したのだ。

「確かに、その批判は当たっていますが」と語るのは、野球評論家の江本孟紀氏だ。「今の巨人は、打線のつながりは悪いし、これといった若手が育っていない。でも、それは負けが込んでいるどのチームにでも言えることで、巨人だけの問題じゃないと思うんです」

 V9時代や長嶋監督のメークドラマ、原監督の絶頂期といった栄光の時代と比べて情けないからといって、具体的な対案を示さず、一般論だけを語るのは怠慢だというわけだ。

「喝!」でおなじみの“元祖・安打製造機”張本勲氏の場合は、一般論ですらない“印象論”。13連敗を喫した翌日の6月11日には『サンデーモーニング』(TBS系)で「よくあること。気にする必要はない」と擁護したものの、交流戦で最下位になった6月18日には同番組で「なんだ、本当にもう。まさかと思いましたけど」と“喝”にもならない愚痴をもらしている。

「巨人では、少し負けが込んでくると大姑、小姑が騒ぎ始める。しかし、いくら真っ当な批判でも、時と場合によっては選手や監督に悪影響を及ぼします」(スポーツ紙デスク)

 その“被害者”が、捕手の小林誠司。交流戦の最中、6月1日の楽天戦で、巨人は2点リードの6回にウィーラー、アマダーに連打され、逆転負けで7連敗目を喫した。巨人軍OBの“マイクを持った盗塁王”こと緒方耕一氏は、このときの小林のリードを<積極的に打ってくる外国人選手に対し、あまりにも安易な配球。技巧派右腕の田原の特性を全く考えていない>と批判。(6月2日「日刊スポーツ」)

 もちろん批判自体は的外れではないのだが、こうした声が小林をより頑なにし、さらに由伸監督の判断を狂わせている面があるという。その2日後のオリックス戦、巨人は初回に4失点。そして、まるでその責任を取らされるかのように、小林は一度も打席に立たず、無死一塁のチャンスで代打を送られる屈辱を味わった。

「周囲の小林批判に“迎合”したとも取れる采配でしたが、この一件で、監督と小林の信頼関係は崩れてしまいました。外野の声を聞きすぎると、こうした弊害が起きるんです」(前同)

 それでも、“言いやすい”相手に向かうのが批判の常。6月6日の西武戦、エース・菅野智之が6回4失点で降板し、球団ワーストタイの11連敗となった翌日。かつて長嶋巨人を支えた“完全試合男”槙原寛己氏はBSで、この試合の解説を務めながら涙し、翌日(6月7日)の「スポーツニッポン」に<今後、小林に代わって実松を起用するのも手だろう><伝統球団ゆえの宿命を(中略)胸に刻んでほしい>などと寄稿している。

「これだけ袋叩きにされては、誰でも委縮しますよ。他球団では打てていたのに、巨人に移るとバットが湿ってしまう選手がいるのも分かります」(NPB関係者)

 逆に、巨人を出たとたん、嘘のように才能が開花する選手もいる。日本ハムに移籍した大田泰示が、その分かりやすい例だ。放出した選手が大活躍するのは屈辱的な話。広岡氏も<大田放出は巨人の恥>(『週刊ポスト』6月23日号)と大批判している。「一挙手一投足をチェックされていた巨人時代と違い、今は楽しそうにやってます。このトレードは、大田には吉と出ましたね」(前同)

 そういえば、小林も巨人を離れていたWBCではバカスカ打ち、代表の正捕手として強気のリードで勝利に貢献していたような……。

 だが、広岡氏たちも、別に監督や選手が憎くて文句を言っているわけではない。「広岡さんたちが厳しいことを言っているのは、少しでも巨人に頑張ってほしいからだと思いますよ」(巨人OBで野球解説者の“豆タンク”こと黒江透修氏)

 むしろ、それより深刻な問題が、現在の巨人ではささやかれている。読売の系列紙「スポーツ報知」の記事が監督の采配を左右しているという疑惑だ。6連敗を喫した翌日の6月1日、スポーツ報知の一面には、次のような見出しが躍った。「由伸6連敗打開クルーズを使え!」 得点力アップのために、イースタンで.313、8本塁打と好調なクルーズを昇格させ、カミネロを10日間登録抹消するべし――という内容の記事だ。

 この記事が出た翌日の6月2日、由伸監督が動いた。本当に守護神カミネロを外し、クルーズを一軍昇格。即5番に据えたのである。しかし、この起死回生策は、大きな失敗に終わる。「クルーズは2度のチャンスに凡退して足を引っ張り、最終的に5タコ。さらにカミネロの不在が響いて救援陣が炎上し、連敗をさらに重ねてしまったんです。真に受けた由伸監督が悪いといえば悪いんですが、巨人というチームの外野の声の大きさを思い知らされた気がします」(系列紙以外のスポーツ紙記者)

 しかし、ここで疑問なのは、はたしてこのオーダーが「本当に由伸監督の決断だったのか?」ということ。「ご存じのように、ウチのすべての権力を握っているのは、“ナベツネ”こと渡邉恒雄読売グループ本社代表取締役主筆。実は、例の記事は、ナベツネさんの“伝令”だったともっぱらなんです」(巨人軍関係者)

 長い巨人軍の歴史に君臨し続け、「たかが選手」「(原監督の更迭を)読売グループの人事異動」などの迷言を残してきたナベツネ氏。「現役を続ける気だった由伸が強引に引退させられて監督に就任したのも、13連敗後のGM交代も、ナベツネさんの意向。この最大の“老害”に比べれば、OBの文句などかわいいものです。OBたちに大間違いな点があるとしたら、選手、監督、フロントには苦言を呈しても、誰一人“ナベツネ批判”をしないことですが……まあ、難しいんでしょうね」(スポーツ紙デスク)

 どん底に落ちた今、巨人はここから這い上がるしかない。選手たちには、その活躍で雑音を封じ込めてほしいものだ。

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