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天龍源一郎「引退後のことを話そう」“ミスタープロレス”独占インタビュー

[週刊大衆2017年11月27日号]

天龍源一郎「引退後のことを話そう」“ミスタープロレス”独占インタビュー

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 ミスタープロレスの現役最後の1年、“引退ロード”に密着したドキュメンタリー映画が発売。そこに映し出されていたのは、ボロボロの肉体にムチ打って、若いレスラーたちと限界を超えて闘う姿。そのとき、漢は何を思っていたのか? 知られざる“家族の絆”から現在の生活、プロレスへの熱い思いまで、魂の叫びを聞け!

■ドキュメンタリー映画は“涙腺崩壊”必至

 ミスタープロレス、天龍源一郎(67)が引退してから2年。40年に及ぶプロレス人生“最後の1年間”に密着した、ドキュメンタリー映画『LIVE FOR TODAY-天龍源一郎-』がブルーレイ&DVDで発売。ボロボロになった65歳の肉体を極限まで酷使しながら、全国で熱き戦いを繰り広げる天龍の姿は、プロレスファンならずとも“涙腺崩壊”必至だが、実は天龍自身も「映画を観るたびに泣いてしまう」という。

「自分の映画で、12回も観ているのに、不思議なことに毎回泣けるんですよ(笑)。たぶん、当時の感情を思い出して“ホロッ”とくるんでしょうね、情けない話ですが。見てほしいのは、辞めていくレスラーが自分の体にムチ打って戦う姿。男が金を稼ぐっていうのは、こういうことだってことを知ってほしいですね。それと家族。俺はこんなにも娘に励まされ、元気づけられてたんだとスクリーンを通して教えられました」

■愛娘と二人三脚

 映画では、天龍プロジェクト代表の愛娘、紋奈さんと二人三脚で歩む姿が印象的だが、実は、現役最後の1年までは違ったという。「プロレスは男の社会ですが、俺が“引退する”と話してから、娘も“私が守らなきゃいけない”と腹をくくったんだと思います。映画を観たら、ほとんど俺は紋奈のケツにくっついて歩いてましたからね(笑)。今も、マネージャーとして仕切ってくれてますよ。迎えに来て、俺は車の中で“今日何があるのか”を初めて知る(笑)。俺の好き嫌いも彼女は理解してくれてますから、俺が嫌う仕事は取らないだろうし」

■バラエティ番組でいじられるのが、今は最高

 引退から2年。リングが恋しくなることはないのだろうか。「全然思わないです。引退後、鍛錬してないことや気の緩みもあって、体にガタがきた。これではいけないと思って、体幹トレーニングを始めました。汗をかいた後に、うまいビールを飲むのが好きで(笑)。プロレスは腹いっぱいやりましたし、相撲とプロレスしか知らない両国大学を出た天龍が、バラエティ番組で国立大学を出てる人たちにいじくられるのが、今は最高の快感ですよ(笑)。中には“この野郎、ぶち食らわしてやろうかな”という人がいないわけじゃないけど(苦笑)、いろんな人に会えるのがうれしいんです」

●家族旅行なんて当たり前のことが新鮮

 “普通の生活”も楽しんでいる。「現役時代、女房に“あんたは24時間天龍源一郎だから、見ていても接していても疲れる”と言われましたよ。俺は“プロレスで食べてる以上、天龍源一郎という鎧は脱げない”と思ってた。そういう性格なんです。今は、女房が御朱印を集めるのが趣味で、誘ってくれるので一泊、二泊でのんびり旅行にも行きました。目的地に着いたら、女房は勝手に行って、俺は車の中で待ってるだけですけど(笑)。家族旅行なんて、普通の人には当たり前のことでしょうけど、俺にとっちゃ新鮮ですよ」

■ゲームやアニメのような技で限界を超えてしまう

 では、自身が去ったプロレス界をどう見ているのか? ここ最近、痛ましい事故が多発しているが……。「お客さんが“もっともっと”と求め、レスラー自身“もっとできる”と勘違いして、ゲームやアニメのようなバーチャルな技に走って、限界を超えてしまうところがありますよね。確かに、バーチャルと現実とのギャップがあると楽しくない。だから、あえて挑戦するんだろうけど。でもね、俺は“危険だ”とヒヤヒヤする技じゃなくても、お客さんが身を乗り出してリングの中を見なければならない技で、スリーカウントを奪うこともできるよと言いたい。もっとリングの中を凝視させるようなプロレスもあるよってね」

●今の大相撲界は不本意

 またOBとして、上位陣の欠場が多い相撲界をどう考えているのか?「力士はデカくなりすぎて、自分の体を持て余してますよ。ダンプにバイクのタイヤをつけたって、パンクをするのは当たり前。それと同じことです。昔より圧倒的にヒザや腰のケガが多く、技の攻防がなくて、大型力士が圧倒的な力で勝つのが主流。技の多彩な宇良が注目され、求められるのは、そういうこと。昔はああいう力士がいっぱいいましたよ。だから、今の相撲は俺にとって不本意ですよ。でも、お前も現役時代、突っ張りしかしてなかったじゃないかって言われそうだけど(笑)」

■“いつも一生懸命に生きてほしい”

 最後に『週刊大衆』読者に熱いメッセージをいただいた。「言葉にしたら“誰かがどっかで見ているから、いつも一生懸命に生きてほしい”ということ。俺は不器用だからプロレスしかできなかったけど、一生懸命に戦ってきたら、周りにいる人が、こんな俺を面白がって、今もちょっかいを出してくれる(笑)。人生、味なものですよ」

 新たな戦場でも、存在感を見せるミスタープロレス。現役最後の1年を、その目で確認してほしい。

■天龍源一郎【魂の言葉】

(1)「行くべきときに行く。だから応援してくれる」

 自らのプロレスを「自分は華麗な技を出せるわけじゃない。でも、行くべきときに行くから。ファンの人は、それが見たいから自分を応援してくれるんだ」と話す天龍。ちなみに、この映画のDVDを他のレスラーに送ったところ「レスラーは自分の出ている場面しか見てないよ。そんな奴らばっかり。というか、そういうやつらがレスラーになるんだよ。でも、グレート小鹿にあんなに尺(フィルムの時間)をとってるなんて思わなかったな(笑)」

(2)「天龍源一郎は時代と戦って終わる。あれには負けたね。1本とられた」

 劇中で総合格闘家・鈴木みのるはこう話している。「天龍源一郎は時代と戦って終わる」。天龍は「あれには負けたね。1本とられた。見ている人は“なんで、このオッサンがオカダ・カズチカと戦わなきゃならないんだよ”って思ってたと思うんだよな。あれで、引退ロードの“オチ”ができた」。鈴木の発言によって、時代を象徴するレスラー、オカダ・カズチカと戦うことが、天龍の“宿命”となったのだ。

(3)「若い奴らに感動するときもあります」

 若いプロレスラーをどう思っているのか?「一つ間違えたらアウトの世界で、若い奴らがクソ真面目にやっているのをみると、若い世代の奴らもプロレスを守っているんだって感動するときもありますよ。もっと賢い奴だったら、もっと稼げることに行ってもいいはずなのに、来るか来ないか分からない試合のオファーを待っているだとか、いつ試合を組んでくれるか分からないのに、練習を一生懸命やったりとか、青春をかけているのを見ると、俺らとは違う真面目さを教えられるときもあります。だから、このプロレスで、功成り名遂げてくれよって陰ながら思う。金を儲けろよ、お前ら家族をちゃんと胸張って食わせてあげられるようにしてやれよって」

(4)「家族を守り切れない。そんな俺じゃイヤだ」

 引退を決めた理由は何だったのか?「リングの中で頑張れると思う人はリングの中で頑張ればいいけど、ええかっこしいを言わせてもらえれば、体がボロボロになってしまえば、なんかあったときに家族を守り切れない。そんな俺じゃイヤだというのがあったんです」

(5)「週刊大衆の歴史は長いよね~」

 本誌にも熱いメッセージをくれた!「週刊大衆の歴史は長いよね~。でも、言っちゃ悪いけど、昔はもっと、若い俺たちの気持ちを晴らしてくれる写真が多かったよね」 精進します!

天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)
本名、嶋田源一郎。1950年2月2日生まれ、福井県出身。T189センチ、W117キロ。13歳で角界入り。最高位は西前頭筆頭。76年に引退し、対テッド・デビアス戦でプロレスデビュー。15年の対オカダ・カズチカ戦を最後にリングを降りた。日本人で唯一、ジャイアント馬場、アントニオ猪木2人からフォール勝ちするなど数々の名勝負を繰り広げ、ミスタープロレスと呼ばれる存在に。現在は滑舌の悪さを武器に(?)、バラエティ番組などで活躍中。現役時代の得意技は天龍チョップ、パワーボム、グーパンチ。

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