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蒙古斑はお尻だけじゃない!? 基礎知識と「異所性蒙古斑」の対処法

蒙古斑はお尻だけじゃない!? 基礎知識と「異所性蒙古斑」の対処法

 日本人なら、生まれたての赤ちゃんのお尻が青くなっていたからといってビックリする人はいないだろう。なぜなら、ほとんどの赤ちゃんが青いお尻を持って生まれくるからだ。今回はおなじみの蒙古斑について改めて調査してまとめてみた。実はお尻以外の部分にできる蒙古斑や、成長しても消えない場合もあるのだ。

■お尻にできる青いアザの正体とは?

●蒙古斑(もうこはん)

 蒙古斑とは、乳幼児のお尻や腰などに見られる青いアザのことである。生まれたときからある場合もあれば、生後1か月ぐらいまでの間に少しずつ出てくることもある。大きさや色の濃さにも個人差がある。

 真皮と呼ばれる皮膚の深い部分に、メラノサイトという色素細胞が沈着しているせいで青く見える。表皮に近くて皮膚の浅い部分にメラノサイトがあるケースでは、青というよりは黒っぽく見えることもある。メラノサイトは肌の色を黒くするメラニンを作り出す細胞であり、メラニン細胞という名前も持っている。紫外線を浴びて日焼けすると肌が褐色になるのは、メラニンが増えるせいである。

 蒙古斑に関しては、こういった生物学的な原因が判明している一方で、古くから神様からの大切な贈り物だとする考え方もある。この世に赤ちゃんを送り出したときに神様がつけた手の跡だという説や、天使のしるし説などさまざまな言い伝えが残っている。

●名前の由来

 蒙古斑という名前は、このアザがモンゴル人・日本人・中国人・イヌイットといったモンゴロイド系の黄色人種に限って見られるとして、明治時代に日本に滞在したドイツ人医師のE.ベルツが命名したものである。しかし、その後になって出現割合に差はあるものの、マレーシア・ジャワ・フィリピン・サモア・ハワイなどの住民や、ネイティブアメリカン・タミル人・シンハラ人・黒人・白人にも見られることが分かった。そのため、現在では小児斑・児斑・新生児青色斑などと呼ぶのが正しいとされている。

●いつまでに消えるのか

 蒙古斑は乳幼児の成長とともに少しずつ薄くなって消えていく。消える年齢は5〜10歳頃までと個人差が大きいが、一般的には幼年期が終わる小学校入学前後、もしくは思春期を迎える頃までに自然消失するといわれている。

■大人になっても消えない!? 「持続性蒙古斑」

●持続性蒙古斑とは(じぞくせいもうこはん)

 蒙古斑のうち、思春期を迎えても自然に消えないものを持続性蒙古斑と呼ぶ。大人になっても残る持続性蒙古斑は、蒙古斑全体の3〜4%の割合といわれている。蒙古斑は病気ではないが、外見上のコンプレックスになる可能性がある。

●持続性蒙古斑の治療法

 持続性蒙古斑の治療法として一般的なのは、レーザー治療である。治療に用いられるレーザーにはさまざまな機種があるが、持続性蒙古斑には短時間に局所的な治療が可能で、体への負担が少ないといわれるQスイッチレーザーなどが有効である。皮膚科や形成外科で扱っており、基本的には健康保険の適用内のため、まずは診察を受けに行ってみるのがよいだろう。

 なお、1回のレーザー治療で蒙古斑が消えることはほとんどない。蒙古斑の大きさや色素の濃さによって大きく異なるが、2〜3か月に1度のペースで、レーザー照射を何度か繰り返すのが一般的だ。また、治療の過程で一時的に色が濃くなったり、火傷したりするリスクや、最終的に消えない可能性もあることは覚えておこう。

■お尻以外にもできる!? 異所性蒙古斑

●異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)とは

 お尻や腰ではなく、顔や胸やお腹、背中、手足などに現れる蒙古斑もある。これらは異所性蒙古斑と呼ばれ、年齢を重ねても消えにくく、大人になっても残ることが珍しくない。

 蒙古斑がお尻や腰以外の部分に現れることに、特別な原因や理由があるわけではない。たまたま、その場所にメラノサイトがあっただけである。妊娠中の母親の行動は無関係な上に、妊娠中の検査などで判明する類いのものではない。ましてや出産や子育てのやり方などに左右されるものでもない。

 どうしても気になってしまうのが親心であることは分かるが、両親が責任を感じる必要はまったくないから安心してほしい。また、異所性蒙古斑は痛みやかゆみを感じるわけでも、悪性化して病気の原因になるわけでもない。ただし、目立つ場所にあったり、洋服などで隠すことができない位置にあるケースでは、いずれ子どもにとって外見上のコンプレックスになる可能性がある。

●異所性蒙古斑の治療法

 異所性蒙古斑においても、治療法の第1選択肢はQスイッチレーザーなどになる。持続性蒙古斑では消えないということが判明してから治療を行うことが多いため、本人が成人していることも少なくない。しかし異所性蒙古斑では親が見た目を気にして、早い段階で治療の相談に行くことがある。

 レーザー治療を行うのに年齢制限はなく、施術する医師や病院によって対応が異なる。皮膚が薄い乳児のほうが綺麗に消えやすい、または蒙古斑のサイズが小さいうちに対処してしまったほうが結果的に負担が少ないといった理由から、生後すぐにレーザー治療を開始することがある。

 その一方で、治療中の痛みで暴れる、暴れるとレーザー照射に危険が伴うため入院して全身麻酔をする必要性が生じることもあるが、そうなると乳児とってはリスクや負担が大きすぎるという理由から、思春期以降の治療をすすめる場合もある。

 保険は適用されるが、複数回のレーザー照射が必要で、途中で色が濃くなったり、火傷してしまうリスクや完全に消えない可能性があるのは持続性蒙古斑と変わらない。

■蒙古斑じゃない!? 注意したい青アザ

 アザの中には蒙古斑と勘違いしがちな青アザもある。なお、アザという言葉は俗語であり、正式には母斑(ぼはん)という用語が使われる。いわゆるホクロも母斑の一種とされている。ここでは蒙古斑と紛らわしい母斑を紹介しよう。

●太田母斑(おおたぼはん)

 太田母斑とは、目の周りを中心に、頬・おでこ・鼻などの顔面に生じるアザのことである。原因は蒙古斑と同じメラノサイトにあり、悪性ではない。太田母斑は、比較的浅い位置に色素細胞が沈着しているため、蒙古斑に比べると色調としては茶褐色が強い青アザになることが多い。顔面の左右どちらか一方に生成されるのがほとんどで、皮膚に限らず眼球や口の粘膜に色が出ることもある。生後12か月までに現れて少しずつ拡大するタイプと、思春期以降になってから出現するタイプに分かれるが、自然に消えるのは稀である。治療法としては、やはりQスイッチレーザーなどによるレーザー治療が一般的だ。

●伊藤母斑(いとうぼはん)

 伊藤母斑とは、肩から肩甲骨や上腕部に現れるアザのことである。太田母斑の肩バージョンと捉えて問題ない。太田母斑や伊藤母斑の場合は、乳幼児期にレーザー治療を行っても、後で再発する可能性があるため、思春期以降に施術するのがよいとされている。

●青色母斑(せいしょくぼはん)

 青色母斑とは、青色で表面がしこり状に盛り上がっているアザのことである。発現部位に決まりはなく、顔や体、手足などさまざまな場所に見られる。大半が1センチ以下と小さく、痛みやかゆみがもなく悪性化することもない。しかし大きさが1センチ以上ある場合は、悪性化する細胞増殖型の疑いがあるため、病院で診察してもらうのがおすすめだ。青色母斑ではレーザー治療ではなく、母斑を丸ごと取り除く切除手術が選択されることが多い。

■まとめ

 大きい青色母斑以外は良性であるため、特に心配しすぎることはない。しかし気になるときは皮膚科などで診察を受けて、医師と一緒に対処法を検討しよう。いずれにしても、子どもの心身、メンタルを最優先に考えて最適な方法を選択したい。

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