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【武豊】レースに集中すると寒さも感じません

[週刊大衆2018年02月19日号]

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 過去、最強クラスの寒波に襲われた1月最終週の競馬は、寒いというより、体の芯から冷える……という表現がぴったりの2日間になってしまいました。僕がデビューした頃と違って、勝負服の素材も進化。中でも、エアロタイプのものは、スキーのインナーに使用されるものに似た素材で、寒さには強いんですが、最低気温が氷点下まで下がってしまうと、どうにもなりません。発走を待つ輪乗りでは、奥歯をギュッと噛み締めていないと、歯がガチャガチャと震えてくるほどで、さすがにこたえました。ただ……。

――寒くてレースに集中できなかった? と聞かれたら、返事はNOです。これだけの寒さの中でも、レース中はまったく感じませんでした。

――武豊の体は特別仕様にできている? それもNOです。僕以外のジョッキーに聞いても、きっと、同じ返事が返ってくるはずです。嵐のような大雨でも、グチャグチャの泥んこ馬場でも、じっとしていても汗が吹き出すような暑さの中でも、レースだけは別物。料理人の方が、グツグツと煮立った鍋やフライパンを触っても平気な顔をしているのと同じです。大切なのは、とにかく目の前のレースに集中すること。それがうまくいったのだと思います。2日間で5勝を挙げ、1月が終わった時点での勝利数は13。15勝でトップを走る田辺裕信騎手に続き、リーディング2位です。

 JRAの年間勝利数212を記録した2005年は、1月だけで倍の26勝。この数字と比べると、まだまだ物足りませんが、あの当時と今では、馬の能力も違うし、取り巻く環境も違います。

――あぁ、あの頃は良かったなぁ。昔を懐かしんでいるだけでは、一歩も前には進めません。勝負の世界に大切なのは明日です。そう思いませんか?

■G1皐月賞、日本ダービーへと続く共同通信杯はグレイル!

 楽しみな馬が登場――新たな気持ちで臨む今週末の重賞レースは……2月11日、東京競馬場を舞台に行われるG3「共同通信杯」(芝1800メートル)。皐月賞、日本ダービーへと続く、クラシックへの重要なレースになります。

 このレースで僕のパートナーを務めてくれるのは、ハーツクライ産駒(母はプラチナチャリス)のグレイル。前走、11月25日に行われたG3「京都2歳ステークス」(芝2000メートル)では、圧倒的な1番人気馬、続く暮れのG1「ホープフルステークス」を制したタイムフライヤーに競り勝った大器です。あのときは、レース中に手前を替えないなど、「まだまだ、荒削りだなぁ」という印象でしたが、それでも、ゴール前で、測ったように差し切ってしまったんですから、この先、どれだけ強くなるのか!? 想像するだけで、ワクワクしてきます。ここで、どんなレースを見せてくれるのか? 他の誰よりも、僕が一番楽しみです。

武豊(たけ・ゆたか)1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算4000勝、日本人騎手初の海外G1制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

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