■猛追してくる「歌舞伎界のプリンス」八代目市川染五郎

 そもそも、歌舞伎の市川一門こと成田屋と市川團十郎の名跡が最も権威あるものとされているのは、400年前に初代市川團十郎が現在も続く「荒事」という豪快で荒々しい演技を歌舞伎に導入し、その後、團十郎の名跡を継いだ役者たちも大いに人気があったことなどの伝統からきている。

「歌舞伎では、名門とそれ以外の区別がハッキリしていて、生まれた家で主演ができる格の役者かどうか決まる世界。市川團十郎の名跡は本当に特別なんですが、ここにきて、八代目市川染五郎さん(17)が、新たな歌舞伎界のスターとして松竹も推していきたいという話も出ているようで、海老蔵さんとしてはそれも面白くない。

 プライベートは麻耶さんからの一方的な攻撃がいつ向けられるのか気になるし、本業の歌舞伎での人気も染五郎さんの人気で、大ピンチになりそうです」(前出のワイドショー関係者)

 八代目市川染五郎は、十代目松本幸四郎(49)を父、おばに女優の松たか子(44)と松本紀保(50)、そして祖父は二代目松本白鸚(79)という俳優一家のサラブレッドだ。

 現在放送中のNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人』で染五郎は、青木崇高(42)演じる木曽義仲の息子・源義高を演じ、大泉洋(49)演じる源頼朝と、小池栄子(41)演じる北条政子の娘の大姫の婚約者として迎えられる。しかし、数年後に頼朝は義仲を討ち、仇討ちの可能性を恐れ義高も殺されてしまう、という悲劇の人物を演じた。

「染五郎さんはまだ17歳ですが、圧倒的な美形と憂いを帯びた眼差しや佇まいが人気で、『鎌倉殿の13人』でも義高が討たれたときには“義高ロス”の視聴者が出るほど。独特の色気があって、歌舞伎役者として大人気スターになる要素が満載で、将来性がある。

 そしてなによりスキャンダルもなくクリーンです。お茶の間からの人気も得られれば、歌舞伎に足を運んでくれる人が増えるかもしれないですし、歌舞伎を知らない層に良いイメージを持たれているという点では、圧倒的に染五郎さんに分があるでしょう。

 スキャンダルだらけの海老蔵さんよりも、染五郎さんをプッシュしていこうと考える松竹の姿勢は、企業として当然かもしれませんね」(前同)

 海老蔵が大名跡の市川團十郎を襲名する披露公演には注目が集まるだろうが、はたしてその後はどうなるかーー。注目したい。

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