コロナ禍の次の脅威は「真夏の酷暑」。生命を脅かす最悪の事態から身を守る専門家の知恵と技術を徹底伝授する!
7月3日、東京都で統計史上最長となる9日連続の猛暑日を記録するなど、例年以上の酷暑が続く今夏。毎年、数万人が熱中症で搬送されるが、今年は特に注意が必要と警鐘を鳴らすのは、『上本町わたなべクリニック』院長の渡邊章範氏だ。
「観測史上最速の梅雨明けになったことで、暑さに体を慣らす期間が短い。結果、通年よりも夏が1か月ほど延びるので、後半の8月頃から熱中症リスクが高まると見られます」
しかも、怖いのは熱中症だけではない。
「国立循環器病センターの調査によると、6〜8月は脳梗塞が多く発症しており、心筋梗塞のリスクも夏場に上がっています。いずれも血管が詰まることで発症しますが、その最大の要因は脱水症状。熱中症と原因は同じなんです」(医療ジャーナリスト)
そこで今回、殺人猛暑から身を守る心得を紹介する。
■高齢者は一番危険
殺人猛暑で一番危険なのは高齢者。独居老人宅を定期訪問する介護士が話す。
「訪問するたびに部屋は蒸し風呂状態。お年寄りは暑さに鈍く、エアコンをすぐ止めてしまうんです。今では、停止ボタンを押されないように、リモコンを隠すようにしています」
災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が言う。
「熱中症の4割が住宅内で発生しています。特に夜間に発症するケースが多いので、エアコンは工夫して使いたいですね」