■なんともお粗末な『競争の番人』のオチ

 カルテル疑惑の解決へと動くカギとなったのは、「クラシカルホテル」の安藤正夫(勝矢/47)を襲撃した、黒いフードをかぶった人物の正体だった。それは、建設会社の談合で自殺した豊島の娘・美月(服部樹咲/16)で、父親の自殺は安藤に脅されていたからだと、雲海が思い込ませていたという。

 さらに、白熊が安藤の病室から持ち帰った毒物入り菓子を食べ、病院に緊急搬送されたことで、ダイロクは雲海への勝負にリーチをかける。化学メーカーの職員から、毒物を雲海に融通したという証言を得たうえ、小勝負の一度見て理解したものは忘れない能力で、倉庫で発見した証拠データを復元。雲海が行っていた不正を暴いていった。

 杏と坂口のバディが好評で、視聴率も復調したが、事件の動機やトリックなど、ところどころが粗いという声も。ツイッター上では、「2話まで公取の地道な調査が描かれていて好感が持ててたけど、今回は驚異的な記憶力でやっと解決とか、残念な展開に萎えてしまった」など、苦言が少なくなかった。

 特に指摘が多かったのが、雲海が持ち込んで白熊が食べた菓子で、“シアン化合物入りどら焼き”とは安易すぎる。そのどら焼きは安藤の病室に無造作に置かれており、安藤以外の人間が食べる可能性もあった。雲海がいくらカルテル疑惑の黒幕とはいえ、大量殺人につながりかねないことをやるものだろうか? また、雲海に焚き付けられたからと、女子高生の美月が安藤を刺し殺そうとするのも、無理があるように思える。

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