■埼玉県と千葉県による首都圏バトル
関東地方は、前述の『翔んで埼玉』の題材にもなった、埼玉県と千葉県による首都圏バトルが激化中だ。
「“千葉県には海がある”と観光面を誇っているが、どちらが都会かというと、新幹線が通る埼玉県の圧勝ですよ」(埼玉県・30代男性)
というように、東京都と神奈川県に次ぐ、第3位の座を争っているのだ。ただ、木原氏によれば、
「埼玉・千葉県民は、ともに没個性で控えめな性格で、実は親和性が高い。また、東京に出る意識が強いという共通点もあり、千葉県出身のタレントのマツコ・デラックスなど、数々の芸能人を輩出しています。本当は仲良くできるはず」
■餃子戦争も
一方で、首都圏から少し外れた北関東では、栃木県の宇都宮市が、静岡県の浜松市との“餃子戦争”を展開中だ。さらに近年、新たな動きが見られたという。
ご当地グルメ研究家の椿氏は、次のように言う。
「総務省が毎年発表する『家計調査』の、1世帯当たりの年間餃子購入額で、宇都宮市、浜松市が争っていたのは有名な話ですが、2021年の調査で、新たに宮崎県宮崎市が第1位に躍り出ました。現在は3強という形です」
U字工事も、「『宮崎市ぎょうざ協議会』の会長がキレイな女性なんですよ。『宇都宮餃子会』の人もデレデレしちゃってさ」(益子拓郎)、「まるで餃子界のジャンヌ・ダルク。栃木にとっては脅威ですね」(福田薫)と、宮崎県を強く警戒している。
■歴史を背景とする北陸3県
次は、北陸地方。全国屈指の犬猿ライバル県といわれるのが、石川県と富山県だ。両者は、NHK大河ドラマ『利家とまつ』などで知られる前田家が治めた領地として、歴史的な共通点を持つのだが、
「石川県の金沢市だけが古都として、北陸を代表する観光地になっちゃった。正直、嫉妬しちゃいます」(富山県・60代男性)
では、北陸3県に数えられる福井県はというと、
「石川・富山から相手にされていないのが現状です。目立ちませんが、福井県民にはベンチャースピリットがあり、社長輩出率が全国トップなど、隠れた魅力はあります」(木原氏)