ポジティブ思考も重要だ。スウェーデンで500人以上の高齢者を対象にした研究などで、陽気で外交的なオプティミスト(楽観論者)と、陰気で内向的なペシミスト(悲観論者)を比べると、アルツハイマー型認知症の発症率が、オプティミストは50%も低いことが確認されたという。「まさに“病は気から”ということでしょう」(前出の生田氏)

 また、生きがいを持つことも大事だ。米ラッシュ大学のパトリシア・ボイル氏が80歳以上の951人を4年間にわたって追跡調査(155人がアルツハイマー型認知症に)。生きがいの度合いについて10の群に分けたところ、一番高い群は、アルツハイマー型認知症になるリスクが一番低い群に比べて40%だったという。「高齢で生活するのに十分な貯金があっても働き続けるとか、ボランティア活動もよいでしょう」(同)

 パートナーを見つける。フィンランドで中年の男女約1500人を21年にわたって追跡調査した結果、50歳時点でのパートナーの有無で、認知症リスクは、なしの人が2~3倍、さらにずっとパートナーがいた人と、一生いなかった人とでは、いなかった人が実に6倍も高かったという。「パートナーの有無で、感情面の充実度が脳に及ぼす影響は予想以上です。パートナーがいないなら早く見つけたいもの。あるいは、親しい友達や親戚と密に連絡を取り、社会ネットワークを広げてください」(同) 明日からぜひお試しあれ。

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