くも膜下出血なども、直前まで普通に仕事をしていたのに、いきなり頭を押さえて苦しみだしたと思ったら、呼吸不全になって死んだということがある。脳梗塞も、なんらかの前兆があったのは患者の4分の1で、残りの4分の3はさしたる前兆もなく、突然、発症するといわれる。「脳卒中の場合、処置が早ければ早いほど生還率が高く、その後の後遺症も小さいのです。脳卒中の危険なシグナルが出たら、なるべく早く専門病院に行くことが生死の分かれ目になります」(前同)

 頭痛や脳の病気に詳しい『秋葉原駅クリニック』の大和田潔院長(東京医科歯科大学臨床教授)は、危険な兆候について次のように解説する。「急で激烈な痛みに襲われ、この痛みが、ずっと続く場合は要注意です」 たとえば、夜寝ているときに突然、頭が割れるように痛みだし、これが朝まで続くといったケースだ。「また、重篤な脳疾患がある場合は、知覚異常や運動障害が起こります。これを神経脱落症状というのですが、急にロレツが回らなくなったり、体が傾いて、まっすぐ歩けないなどといった症状が出たときは、すぐに救急車を呼ぶなどしてください」(大和田院長)

 また、脳の病気には他に脳に腫瘍ができる脳腫瘍などがあるが、これは、いわゆる「がん」に近いもの。松方弘樹さんが罹患した脳リンパ腫もその一種だが、こうした病は知覚障害や運動障害が頻繁に起こるのが特徴。心当たりのある方は、早めに脳ドックを受診したほうがよいだろう。ぜひ、この機会に脳のチェックをしていただきたい。

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