不健康習慣をプラスに転じる「オキテ破り健康法」!!の画像
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 分かっちゃいるけど止められない悪習慣の数々。でも、それって実は体にいい側面もあるって知ってました?

 最近はテレビでも健康番組が花盛りで、医師や専門家がさまざまな健康法を紹介している。健康的な生活とはほど遠い還暦間近の本誌記者は反省しきりだが、何十年も続けた“不健康な習慣”は、そうそう簡単に止められるものではない。そこで今回は、中高年世代の“不健康習慣”でも、こうすればプラスに転じるという“オキテ破り健康法”をレポートした。

 100人の医師が100人ともダメと指摘するのがタバコである。タバコを吸うと肺がんになり、周囲の人も副流煙で肺がんになる。止めようと思っているご同輩も多いだろうが、中部大学総合工学研究所の武田邦彦教授によると、「タバコを吸えば肺がんになる、副流煙も危ないというのは科学的に見ると、まったくおかしい」と言う。「喫煙者率はこの50年で急減しているのに、肺がんの患者数は逆に他のがんと比べても増えています。この数字だけ見ても、おかしいんですよ」

 喫煙者と非喫煙者の肺がん死亡リスクは、実は変わらないといわれているのだ。「昨年、肺がんで死亡した日本人は13万3500人。喫煙者は1000人に1人が肺がんになるといわれているので、日本に約2600万人いるとされる喫煙者で肺がんになった人は、約2万6000人計算。なので、肺がん死亡者のうち実に10万人以上が、非喫煙者。1億400万人いるとされる非喫煙者が肺がんで死亡する確率を考えると、約1000人に1人なのです」(医療ジャーナリスト)

 喫煙者が最も嫌われる原因である副流煙の害も、疑わしいところがある。「副流煙で肺がんになるという話は、国立がん研究センターから発表された平山論文がもとになっていて、≪夫が喫煙者である妻は非喫煙者の夫を持つ妻と比べて肺がんで死ぬ確率が2倍以上になる≫というもの。ただ、論文を精査すると、データを改変したとしか言いようがないほどデタラメなのです」(前出の武田教授)

 タバコを吸っても吸わなくても肺がんになる確率は同じなら、副流煙で肺がんになるという説は元のデータからしておかしかった、ということになる。また、「タバコは百害あって一利なし」が世の定説だが、これにも疑問符がつく。「ニコチンは、気持ちを落ち着かせるセロトニンや、意欲とヤル気を起こすドーパミンといった脳の神経伝達物質の働きを補う作用があります」(前同) タバコを吸うと、気持ちが落ち着き、集中力が高まるのはこのためだという。「このストレス社会ではタバコで精神的安定を保っている人も多いと思います」

 ちなみに、武田教授は非喫煙者だが、科学的でないデータをもとに魔女狩りのようにタバコを悪と決めつける風潮に我慢できず、書籍『早死にしたくなければ、タバコはやめないほうがいい』(竹書房)を出版した。「出版後、嫌煙者からかなりバッシングされましたが、現代版魔女狩りを止めさせるために週刊大衆も頑張ってください」(同)

 そのタバコと並んで「もう止めなさいよ!」と言われるお父サンの悪い習慣が飲酒である。酒は、解毒する過程で肝臓にダメージを与え、アルコール依存症にもなる。また、長年の飲酒習慣で脳が萎縮して認知症の引き金になる――。これがアルコールの害だが、逆に“百薬の長”という側面もある。たとえば、適度に酒を楽しむ人は、心疾患を予防する効果のある善玉(HLD)コレステロールのレベルが上がり、悪玉(LDL)コレステロールのレベルを下げる働きがあるという研究結果も、その一つ。また、飲酒によって、がん細胞や感染症の病原菌を殺すNK細胞を活性化するという研究もある。さらに、世界中の酒に関する疫学データを分析した米国保健科学協議会は、「過度の飲酒は死亡率を大幅に上昇させるが、適量の飲酒は全死亡率を低下させ、健康にプラスになる」というレポートを出している。

 まったく飲まない人より、少し飲むことが、むしろ健康にプラスになるというわけだが、酒好きが気になるのは、健康にプラスになる「適量」である。肝臓病に詳しい『野村消化器内科』院長の野村喜重郎氏が、こう説明する。「アルコールを分解する能力は個人差が大きいが、日本酒なら1合、ビールは中瓶1本、ウイスキーなら水割り2杯、焼酎なら0.6合。これが適量。いわゆる“ホロ酔い”のお酒がベストです。肝細胞は他の臓器と比べ、再生能力が高いため、多少飲み過ぎても大丈夫ですが、飲むときは再生材料になるタンパク質をしっかり摂ることと、休肝日を設けることが大切です」 「毎晩、へべれけ」では肝臓も奥さんの機嫌も悪くなるが、ホロ酔いなら健康で長生きできるというのだ。

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