そもそも現代人が、これほどまでに熱中症になりやすい理由としては、「エアコンが完備されている生活環境のため、暑さや寒さなど急激な温度変化に対し、自律神経がうまく働かないんです。暑さに対し、発汗させる機能の低下が考えられます」(同)

 医療ジャーナリストの牧潤二氏は、こうした自律神経の乱れを改善する策として風呂の有効活用を薦める。「暑い夏場はシャワーだけで済ませがちですが、38度程度のぬるま湯に、15~20分ほど半身浴(ヘソまたは胸は湯に浸からない)すると発汗作用には効果的」

 一方で、体を冷やそうと“水シャワー”をかけるのは逆効果だという。「体温より低い水をかけると、“体幹が冷えるかもしれない”と脳が判断し、熱を逃がさないよう血管を収縮させることがあるからです。シャワーは、37度から38度程度のぬるま湯にしてください」(前同)

 また、外から帰ったら、「冷やしタオルを首に当てるといいでしょう。首は血管が集中し、脳にも近い場所。ここを冷やすことが熱さ対策には必要です」(同) 前出の50代男性も、「就寝時は、発熱時によく使用する“アイス枕”を首の下に置いています。体温が、だいぶ下がりますよ」 今の時期が最も危険な屋内熱中症。万全の対策で命を守ろう。

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