001

 かつてのファミコンキッズが、子どもの頃に夢中で遊んだ思い出をオトナの視点から対談形式で振り返る。今回のテーマは、誰もが知っているファミコン史上最高最強の迷作『たけしの挑戦状』。1986年の発売から30年、彼からの挑戦状を改めて読み解く!

<対談者紹介>
◆OYSTER(オイスター):ファミコン大好きな漫画家。現在『月刊まんがタウン』(双葉社)にて、『新婚のいろはさん』を連載中。代表作に『光の大社員』『超可動ガール1/6』等。(※OYSTERの「O」は、ウムラウトつきで表記)
◆軽部にーさん:ファミコン大好きな編集者。ゲーム雑誌の編集等をへて、現在はフリーのファミコン好きエディターとして活動中。


軽部にーさん(軽部):今回の対談テーマは、ビートたけし監修のファミコンソフト、あの“伝説のクソゲー”『たけしの挑戦状』(タイトー)です。ちゃんとソフトも準備しましたんで、まずは当時の思い出を振り返りつつ、後で実際にプレイして、現在の感触も語ってみたいと思います。

OYSTER(オイ):『たけしの挑戦状』は遊んだなぁ。さすがにインパクトはありましたよね。

軽部:個人的には当時、友達から借りてやっただけだから、実際そんなに長い時間は遊んでないはずなんだけど、やっぱりすごく記憶には残ってるゲームですねぇ。

オイ:まず、現実世界をゲームにしたってところが新鮮でした。

軽部:主人公は、奥さんも子どももいる普通のサラリーマン。ちゃんとゲーム内には街があって、お店や会社が並んでいる。まぁ当時のファミコンソフトじゃかなり異色でしたよね。

オイ:こんなにもイジワルなゲーム性は他になかったし。

軽部:いちおう、ゲームジャンル的には「アクションアドベンチャー」になるので、手がかりを探しながらゴールを目指すわけですが、この謎解きがかなり極悪と(笑)。

オイ:手に入れた宝の地図を日光にさらして、実時間で1時間何もせずに待つ、とか(笑)。

軽部:僕はそこ、水につけて5分待つほうでやりましたよ。

オイ:ああ、そういう解法もありましたねー。

軽部:後は、スナックでカラオケをうまく歌わなきゃいけないとか。カラオケの歌、いまだに歌えますもん。

オイ:え、本当?

軽部:♪あーなたーのたーめなーらどーこまーでもー。めっちゃ歌ったから(笑)。

オイ:無意味だけど、すごい(笑)。

軽部:宝の地図もニセモノがあったりとか、街中でやたら殴られるとか、ワナもいっぱいありましたよね。ただ、そういうイジワルされたことはわりと覚えているけど、メインはどんな物語だったかはあやふやだなぁ。最終目的は宝探し……でしたよね。当時どこまでゲーム進めました?

  1. 1
  2. 2
  3. 3