オイ:飛行機には乗りましたね。で、落ちた(笑)。

軽部:僕は海外までは行ったかな。クリアはできなかったけど、ハンググライダーに乗った覚えがある。

オイ:あ、外国行けたんだ、すごい。あれ、正解ルートじゃないと飛行機は必ず落ちてゲームオーバーになりますよね。

軽部:え、そうでしたっけ? ゲーム中に旅行先の候補がいっぱい出てくるし、てっきり自由にどこにでも行けるのかと思ってた。

オイ:いや、確か行けなかったはず……。

軽部:そうか。でも旅行先もそうだけど、このゲームって、いろんな場面で選択肢が山ほど出てきたじゃないですか。だから子ども心に「すごい自由なゲームだなぁ」って、結構ワクワクして遊んでたんですよ。なんか、ゲームの世界が無限に広がりそうな雰囲気というか。

オイ:確かに自由度はものすごい高い。僕なんか「普通のサラリーマン生活」プレイしてましたから。会社から家帰って寝て、起きてまた会社行って、って遊び方。

軽部:全然ゲームっぽくない(笑)

オイ:そう(笑)。でもそんな、ゲームクリアを目指さない“ごっこ遊び”もできたんですよね。ただ、サラリーマンプレイでこのゲーム遊んでても、つまらなくはなかった。毎日会社と家を往復して、たまに酒飲んだり物買ったりして。だから、後の『どうぶつの森』(※注1)っぽいなぁとも思いますね。日常を遊ぶ感じ? お金が尽きると海外脱出を試みて、飛行機もろとも爆死しちゃうんだけど(笑)。

軽部:ずいぶんリアルすぎるけど(笑)。

オイ:ほのぼの系の『どう森』に足りないものって“毒気”じゃないですか。だからあの世界に毒を足して、現実世界を舞台にすればきっとこうなる(笑)。

軽部:それでいうと、オンラインゲームのMMO-RPG(※注2)にも近いですよね。箱庭の世界が用意されていて、さぁこの中で何をやってもいいですよっていう。『たけしの挑戦状』も、最終ゴールを目指さなければ、選択肢が多くて、人それぞれの遊び方ができるわけだし。まさに、後の箱庭系ゲーム(※注3)と呼ばれるジャンルのさきがけといってもいい。

オイ:なんかどんどん賛美されてきた気が(笑)。

軽部:クソゲーの代名詞的タイトルが、実は早すぎた名作だったとか?(笑) じゃあ、ここいらでちょっと実際に遊んでみましょう。


<注釈>
※注1:『どうぶつの森』は任天堂の人気シリーズ。プレイヤーは、どうぶつたちが暮らす村に家を構え、自由気ままに生活を楽しむことができる。

※注2:MMO-RPGとは「大規模多人数同時参加型RPG」とも呼ばれ、大勢のプレイヤーが同時に1つのゲーム世界で遊ぶRPGのこと。『ドラゴンクエストX』『ファイナルファンタジーXIV』等が有名。

※注3:箱庭系ゲームの代表作としては『グランド・セフト・オート』『龍が如く』等がある。

  1. 1
  2. 2
  3. 3