高山一実能條愛未の「Zoo&Joe」

 また、中島が高山一実と能條愛未のペアPVを担当した2015年の「Zoo&Joe」では、やはり二人がアイドルであるという設定を踏襲しつつも、さらに手ざわりの異なる演出を試みている。

https://www.youtube.com/watch?v=2s57l9hdoTs
(※高山一実・能條愛未ペアPV「Zoo&Joe」予告編)

 握手会を翌日に控えた高山と能條がホテルで相部屋になるという本作の基本設定は、いかにも乃木坂46のメンバーである二人をそのままうつしとったものである。劇中のダンスの最中には、乃木坂46の他メンバーの振る舞いなども参照され、グループ活動との距離感が近い作品であるとはいえる。

 しかし、前編英語の会話で進行し日本語字幕の補足を入れるその仕様は、彼女たちのリアリティとは遊離した、海外のシチュエーションコメディ的なテイストでもある。

 繰り返し個人PVを担当することで、一貫したスタイルが浮かび上がる監督もまた少なくない。しかし一方で、次々に異なる演出を試みる中島の作品群を追うと、個人PVという場の自由度を、一人の作家がさまざまに遊んでみるような姿も見えてくる。
 

乃木坂46「個人PVという実験場」

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