競りなどで忙しない魚市場の人たちのために素早く提供できるよう。麺を細麺にして茹で時間を短縮。細麺は伸びやすいので麺の量は少なくし、その代わりに「替玉」を考案するなど、現在の博多ラーメンの源流となったのが長浜屋だった。

 ぼくももう20年以上前(当時は替え玉が50円だった!)、福岡に初めて行った際にも出向いたし、以後もちょくちょく思い出したように立ち寄っている。博多ラーメン好きのぼくにとっても、いわば原点回帰の店だ。もっと濃いスープを飲みつけていたので、長浜系はこうもあっさりかと驚いた記憶がある。

 しかし、長浜家のほうは09年(平成21年)12月に長浜屋の元従業員が、中央区大手門2丁目に開店した。場所も当時の長浜屋支店の向かい、現長浜屋店舗からも約100m離れた通り沿いという、ガチンコ勝負を挑んだのだ。

 そして、長浜屋と違い「家」は福岡市内でも繁華街の中洲川端にも店を構えている。もっとも、青い文字で店名をあしらった丼の意匠もそっくりで、パッと見だと「家」と「屋」を勘違いしてしまう……。ちなみに県内外に「長浜屋・家」を名乗る店は多いが、両店とは直接の関係はない。

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