■貴重な上方落語家の登場でもある

「そんな経緯がありながらも、『笑点』に出演する小朝さんの度量は立派というほかはない。くわえて、文珍さんも所属事務所を考えると、本当にありがたい話です」

『笑点』のレギュラー落語家たちは、全員が団体に所属している。

 司会の春風亭昇太(62)、三遊亭小遊三(74)、今年新メンバーとなった桂宮治(45)、現在療養中の円楽は「落語芸術協会」。三遊亭好楽(75)は「五代目円楽一門会」。林家たい平(57)と林家木久扇(84)は「落語協会」にそれぞれ所属しているのだが、いずれも関東の団体だ。

「しかし、文珍さんは吉本興業所属で、落語のジャンルも“上方落語”。『笑点』メンバーの“江戸落語”とは似ているようでまったくの別物です。

 それだけに、関西からの助っ人は非常に珍しいですよね。名優ということですが、円楽さんの人徳を感じます」

 実は文珍が『笑点』の「大喜利」に出演するのは今回が初の出来事。

《円楽さんは東とか西とか東京・大阪そういう垣根を超えて(落語会などの)プロデュース能力をお持ちの方でございますから、もう落語界には欠かせない方ですからね。また早く元気になって、この笑点を盛り上げてもらいたい。それまでの間、私が頑張ります(笑)》

 と、2月6日に『日テレNEWS』で文珍は語っている。

「アイアンマンやスパイダーマン、キャプテン・アメリカ、といったスーパーヒーローたちが結集する映画『アベンジャーズ』がありますが、それを思い出します。まさに落語界総出で『笑点』を救おうとしてくれているんでしょうね」(前同)

『アベンジャーズ』ではキャプテン・アメリカが集合を呼び掛ける際に「アベンジャーズ・アッセンブル!」という決めセリフがある。まさに「落語軍団、アッセンブル!」と言わんばかりの集合ぶりに、改めて『笑点』の偉大さが感じられたーー。

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