■百鬼夜行に参加して地元の温かさに感動
ギガ様が本格的に妖怪活動を始めたのは、仮装で妖怪パレードに参加したのがきっかけ。京都には通称「一条妖怪ストリート」と呼ばれる大将軍商店街がある。
この商店街では毎年秋に、参加者が妖怪にふんして練り歩く「一条百鬼夜行」が開催される。彼は好奇心から、この行列に加わったのだ。
「百鬼夜行に参加すると、街の人たちが声をかけてきてくれたんです。お子さんも怖がらずに、どんどん近づいてくる。お客さんとの距離が近い。妖怪が地元に愛されている温かさに感動したんです」
百鬼夜行に参加して、鬼どころか仏のような心持ちになったギガ様。それ以来、京都で開催される数々の妖怪イベントに企画立案から参加するようになった。そんな彼の今後の目標は?
「コロナ禍で中止になった怪談イベントを、今年こそ開催したいですね。毎回タイミングが悪く、緊急事態宣言やまん防と重なってしまって。これまで4回もお流れになっているんです」
なんと、4回も出演予定だったイベントが中止になっているとは。いくら妖怪とて、新型コロナウイルスにはかなわないようだ。
一刻も早くコロナが収束し、ギガ様に爪痕を残してほしいものだ。
よしむら・ともき「関西ネタ」を取材しまくるフリーライター&放送作家。路上観察歴30年。オモロイ物、ヘンな物や話には目がない。著書に『VOWやねん』(宝島社)『ジワジワ来る関西』(扶桑社)など