■毒殺も辞さない?!プーチン大統領の恐るべき執念

 告発動画でプーチン政権に大打撃を与えた、反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏。彼は、過去にロシア当局から暗殺を仕掛けられた経験を持つ。

「かねてより、与党である『統一ロシア党』の腐敗を強く訴え、“プーチン政権はロシア国民から搾取している”などの主張をSNSなどで発信していたナワリヌイ氏は、20年8月、ロシア・シベリア地方を飛び立った旅客機内で体調を崩し、一時は集中治療室に入るなど重篤な症状に見舞われました。その後、無事回復を果たしたのですが、同年12月に、その経緯はロシア当局の暗殺未遂によるものだったと発表。

“身元を偽ってロシア連邦保安局(FSB)工作員に接触したところ、神経剤ノビチョクを使った(ナワリヌイ氏への)攻撃の詳細を聞き出した”という音声記録を、自身のYouTubeチャンネルへ上げています」(同)

 まさに映画のような話だが、プーチン大統領の過去の発言を鑑みると、あり得ないことではない……。

「プーチン氏は1999年8月に新首相に就任。当時、ロシア南部のチェチェン共和国との紛争でイスラム過激派が台頭した背景もあり、モスクワなど各地で集合住宅への連続爆破事件が発生し問題になっていました。そこで、プーチン氏は公の場で“我々はあらゆる場所へテロリストたちを追い詰める。最後には便所の中まで追い詰め、ぶち殺す!”と強気の発言をし、テロの脅威に怯える市民から強い支持を集めます。

 そして、2000年に行われた大統領選で圧勝。強いリーダー像と言えば聞こえが良いですが、裏を返すと“敵は絶対に許さない”というプーチン氏の執念深さが表れており、ナワリヌイ氏のような反体制側の人間からすれば、恐怖以外の何物でもありません」(同)

 ソ連崩壊から30年。再び激動を迎えたロシアと、プーチン大統領ははたしてどこへ向かってしまうのかーーー。

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