ロシアのウクライナ侵攻で株価も下落、悪夢の円安が国民の生活を直撃!春の深刻「値上げ」先買い緊急リストの画像
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 かつてはドルと並ぶ世界通貨だったはずの「円の価値」が、50年前のレベルにまで落ち込んでいる。

 国際決済銀行が発表した1月の円の「実質実効為替レート」は67.55で、1972年6月以来の低水準に喘あえいでいるのだ。

「現在の為替相場は、1ドル=115円ほどです。円安と感じないかもしれませんが、実質実効為替レートは為替相場に加えて、各国の物価や貿易量を考慮して設定されています。いうなれば、その通貨の“購買力”を示すもの。レートが下がれば、海外製品を買う力が落ちているということです」(経済誌記者)

 そこまで円の力が低下した原因は、何か。経済アナリストの森永卓郎氏は言う。

「財務省の失敗です。バブル崩壊後、不良債権を抱えた銀行を救済すると言って、優秀な企業群を二束三文で投げ売りさせてしまった。その結果、世界に占める日本のGDPの割合は、20年前の18%から、現在は6%まで落ち込んでいます。これで不景気にならなかったら、おかしいくらいです」

■ガソリンやパンも高値に

 以前は、円安であれば、自動車メーカーを筆頭に輸出企業が儲かるので、景気は上向くといわれていた。

「今はメーカーの現地生産が進んでいますので、メリットは薄い。むしろ、円安で輸入品の価格が相対的に上がり、庶民生活にダメージを与える。すでにガソリンは170円近い高値が続き、小麦が原料のパンやパスタ、調味料といった食料品からティッシュなどの日用品まで、値上げラッシュを引き起こしています」(前出の経済誌記者)

 実際、物価高を感じる庶民は急増。共同通信が2月19~20日に実施した世論調査では、「物価上昇による生活の打撃がある」と答えた人は、「非常に」と「ある程度」を合わせると、77 .0%に上っている。

「しかも、円安傾向はまだ続くと見られています。物価高が続く欧米では、各国が長期金利の利上げに踏み切る予定です。しかし、国だけで1000兆円を超える債務を抱えるので、岸田政権も利息を抑えるため、金利を安易に上げられません。世界との金利差から、ますます円が売られ、日本は“輸入弱国”になるでしょう」(前同)

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