■なんでもありすぎで脱力

 ようやく菱田と一星の真相が明かされたが、押入れの中身について、真帆が監禁されていたり、遺体が隠されているという考察があったため、ツイッター上では「あれだけ盛り上がってた押入れの中身がこれ…?」など、ガッカリの声が相次いだ。

 前回も、一星は異常性格だったという、後付けの動機が強引だった。今回も、山田がサッカーボールを蹴り入れたり、菱田が篤人をナイフで脅したのは、いじめ問題を隠すためという、本筋とは関係ない脱力気味の動機が披露された。

 次週の最終回で、すべてを操っていた黒幕がようやく分かりそうだ。視聴者の考察では、凌介の親友の日野渉(迫田孝也/44)や、コメンテイターで大学教授の雫石千春(小松利昌/48)にフラグが立っている。しかし、ここまで“なんでもあり”な伏線の回収が続くと、誰が黒幕でも驚きはない。

 今回の視聴率は8.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)。最高は第17話の9.0%で2ケタには一度も届いていない。『あな番』は2クール目に入って数字が伸び始め、第13話で初めて2ケタを達成すると、最終回は驚異の注目度で19.4%を記録した。このままだと、『あな番』には、はるかに及ばなそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)

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