■森七菜はとんだとばっちり

 ツイッター上では「暴力! 暴力ですべてを解決した。もしかして人を救うのは医療じゃなくて暴力っていう話?」「接見場所の穴の開いたガラス越しに注射針を通したが、あり得ない。あそこは2枚ガラスで穴はズレているから針は通らない」などと、ツッコミの声が寄せられていた。

 松岡の演技だけでなく安田の過剰な怪演も、天才フェロー(研究者)というよりキモさが際立っていると話題だ。彼らの演技についていけない人も多かったのか、視聴率が伸び悩んでいる。前回から1.1ポイント戻したといっても、最終回直前で7%台は寂しい数字だ。

 好材料は連ドラに復帰した森七菜で、前回の長谷川の妻とお腹の中の子どもを救うため、藤木を妙子の言葉である「医手一律」で一喝するシーンでは、魂のこもった演技を披露。また、直情型の拓郎を手玉に取る、コミカルでかわいい演技も好評だ。

 そんな森の好演も、トンデモ展開でドタバタな今作では、どうしても印象が薄くなってしまうのが残念だ。次作は、是枝裕和監督が総合演出・監督・脚本を務め、Netflixで世界同時配信されるドラマ『舞妓さんちのまかないさん』に、出口夏希(20)とW主演することが決定しており、今後の活躍に期待したい。

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