■そもそも恋愛要素は必要なのか?

 視聴者のツイッター上の反響は「結婚指輪のシーン、手の震えはきっと恐怖と緊張と焦りと悲しみと絶望からきたものだ。期待に応えられない自分を謝らずにはいられなかった羽さんの気持ちが、高橋一生の繊細な演技によって刺さった」など、高橋の渾身の演技への称賛の声が多かった。

 今作は次週で最終回を迎えるが、咲子と羽の“家族(仮)”の取り組みがどんな結末を迎えるのか、なかなか読めない。羽は野菜を育てる夢のために家を出るのか? それとも割り切ってスーパーで働くのか? 咲子との関係とともに、どんな展開になるのか気になるところだ。

 同ドラマへの称賛の声が高まる一方で、民放ドラマへの批判の声も増えてきた。それは、「このドラマが問題としている、男女間に必ず恋愛をぶっこまないと気の済まない世界が、まさに『ミスなか』になってるって悲しすぎる」などで、恋愛至上主義な演出に対しての不満からだ。

 今期放送のドラマの中で好評な月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)は、原作にない恋愛要素が追加されたことに批判の声が少なくないようだ。「恋愛要素は必要」という従来のドラマ作りの考え方にこだわった『ミステリと~』と今作、どちらがより画期的な作品だったかは、視聴者の声から明らかだろう。(ドラマライター・ヤマカワ)

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