■“追放された”初代相棒との差はどこで生まれたのか

『相棒』で共演した7年間を通して深い信頼と絆で結ばれた反町と水谷だが、一方で、初代相棒の亀山薫を演じた寺脇康文(59)は『相棒』をSeason7で去り、亀山薫の妻・亀山美和子を演じた鈴木砂羽(49)ともども、それ以降『相棒』シリーズへのカムバックは果していない。

「寺脇さん演じる亀山の“退場”の仕方は、海外でボランティア活動をしていた親友の遺志を継ぎ、警察を辞めて海外に行くというものでした。警察を辞めた以上、今後『相棒』の作中に登場する可能性はない、と感じられる去り方でしたね。

 もう2度と出演ができないような卒業――その理由として言われたのが、水谷さんと寺脇さんの不仲ですよね。寺脇さんは、自分もドラマを作っているという強い自負があったそうで、『相棒』の“帝王”である水谷さんと、演出面の意見の食い違いなどから徐々に関係が悪化。それが、『相棒』降板につながったと噂されています」(芸能プロ関係者)

『徹子の部屋』にゲストとして登場しながら、ほとんど水谷の話ばかりで、水谷を尊敬し、私生活でも深く交流していた反町。そして、あくまでも、初期から『相棒』という作品を作った役者同士、と思っていたのかもしれない寺脇とは、水谷との良好な関係、という部分で大きな差があったようだ。

「ただ、寺脇さんも俳優になったきっかけは、水谷さんのデビュー作、テレビドラマ『バンパイヤ』(フジテレビ系、1968年)での彼の演技に憧れてだといいますね。そして反町さんも、主演俳優としての振る舞いを水谷さんから学んだと『徹子の部屋』でも語っていた。

 両者ともに水谷さんへのリスペクトの気持ちは全く変わらないんでしょうが、水谷さんとの向き合い方、そしてコミュニケーションのところが大きく違ったのでしょうね。そして言えることは、やはり、水谷さんの考えひとつでドラマ『相棒』のすべては決まる、ということなんでしょうね……」(前同)

 注目される反町の後、5代目『相棒』の第一条件は、「“帝王”水谷と仲良くなれること」なのかもしれない――。

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