●古典と並行しながら現代を描いた新作も
たちまち喉は潰れ、初舞台となった少年院の慰問では、「あまりにも声が汚いので、在院者たちが凍りついていた」という。
しかし「学生浪曲師」として注目されるに従い、着々と芸人の声になった。
修業期間が明け、彼は古典と並行し、現代の男女の哀しい物語『ブルー・ヘヴン』や、借金を抱えた債務者との攻防を描く『ナンバの帝王』など、新作に取り組み始める。ときには物語の内容に合わせ、金髪にする日もある。
「賛否両論です。お客様から“髪を短くして黒に戻せ”と、お叱りを受けた日もありました。けれども、浪曲の魅力は節(歌)と啖呵(セリフ)と三味線だけで、お客様にドラマを届けられるところ。ならば、お客様が想像しやすい現代の話も語るべきだと思ったんです。師匠も、“批判があっても、ワシが守ってやる。やり通せ”と、おっしゃってくださいます」
古典をしっかり語れる技術と、みずみずしい感性がほとばしる京山幸太さんの浪曲。ぜひ、耳を傾けてもらいたい。
よしむら・ともき「関西ネタ」を取材しまくるフリーライター&放送作家。路上観察歴30年。オモロイ物、ヘンな物や話には目がない。著書に『VOW やねん』(宝島社)『ジワジワ来る関西』(扶桑社)など
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