■「小説がうまくなった気がする」
本年度の直木賞を受賞して、いまノリにノっている今村氏。受賞後は「小説がうまくなった気がする」のだとか。「というのは、今まではこう見えて遠慮しいだったんです。この出版社のカラーはこうだからこう書こうとか、読者のことを考えて書こうとかいう雑念があった。それが、直木賞をとったし、もういいかという感じで、大胆な攻めの文章も書けるようになったんですよ」
今村氏の勢いはこれから増す一方だろう。川西氏もこれを受けて「僕らも、ライブをするときに、お客さんがこうやったら喜んでくれるんじゃないかと考える以前に、どうやったら自分たちが楽しくやれるかを考える。それが自然に出るのが一番大事だと思います。僕の好きな大谷翔平選手も、お金儲けや人に見せるために野球をやっているわけじゃなくて、自分がやりたいからやっている。野球も音楽も小説も、なんの仕事でもそうだけど、人のことではなく、自分がどうしたいかを考えることが大切なんじゃないかな」と、含蓄のある言葉を披露した。
【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」
- 【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(1)今村「池波正太郎先生の『真田太平記』がきっかけで時代物にはまった。自分で書いてみようかと思ったのが中学生の頃」川西「僕は小学生の卒業アルバムに将来なりたいものは“アメリカ人”と書いてました(笑)」
- 川西「奥田民生にメールで歌詞を送ったら、次の日には曲が付いて返ってきた」今村「今日もここに来る電車で原稿用紙4枚書いてきたし、タクシーで移動するときも書きます」【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(2)
- 川西「撮り直しは最長でも3回」今村「1日あたりの最高枚数は110枚」【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(3)
- 川西「お互いに、やっていることは違うけど、僕なら音楽、今村先生なら本を通じて、何かを発信しているというのは一緒だと思います」【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(4)
- 今村「一番僕らしいものを書きたい、消えても後悔しないものを書きたいと思ったんです」【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(5)