■「ただ“最高のアマチュアになりたい”とだけ思っていました」
僕はプロミュージシャンになるという最終目標はなくて、ただ“最高のアマチュアになりたい”とだけ思っていました。断念したり、夢に到達できなくても、振り返ったときに、ああ、あのとき楽しかったなあと思えるのがいちばんなんじゃないかな。夢というのは結果じゃない。夢に向かって走っている自分はもう夢に入っていると思うから」と、なんとも泣かせる持論を展開。
今村氏も「60歳過ぎてJリーガーを目指すと言われたら、さすがにそれはってなるけど、定年を過ぎてから司法試験に受かって弁護士になった人もいる。それを聞くと、もともと頭がいいからだっていう人がいるけど、でも、そこで弁護士になると決めなかったら、彼はなっていない。動き出すこと、動き続けることが大事だと思います。諦めないってそういうことですよ」と強く頷いた。
温かな拍手と笑いが溢れる中、気づけばあっという間に終了の時間が近づく。今村氏が「僕が歌詞を書くので、川西さんが曲を作ってください。テーマは“火消し”がいいですね」とオファーすると「いいですよ!」と川西氏は即答。また、全然話し足りないというおふたりが「またこういったイベントをやりたい。今度は会場を出入り自由にして、僕らが勝手にしゃべってるから、適当に聞いておいて、みたいな感じで」とアイデアを出し、最後は観客から盛大な拍手が送られ、およそ1時間のイベントは幕を閉じた。
【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」
- 【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(1)今村「池波正太郎先生の『真田太平記』がきっかけで時代物にはまった。自分で書いてみようかと思ったのが中学生の頃」川西「僕は小学生の卒業アルバムに将来なりたいものは“アメリカ人”と書いてました(笑)」
- 川西「奥田民生にメールで歌詞を送ったら、次の日には曲が付いて返ってきた」今村「今日もここに来る電車で原稿用紙4枚書いてきたし、タクシーで移動するときも書きます」【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(2)
- 川西「撮り直しは最長でも3回」今村「1日あたりの最高枚数は110枚」【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(3)
- 川西「お互いに、やっていることは違うけど、僕なら音楽、今村先生なら本を通じて、何かを発信しているというのは一緒だと思います」【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(4)
- 今村「一番僕らしいものを書きたい、消えても後悔しないものを書きたいと思ったんです」【独占取材】ロックバンド『ユニコーン』川西幸一と直木賞作家・今村翔吾「夢の対談」(5)