■いずれも納得の逸品!肉グルメの四天王は?

 第4位に選ばれたのは、牛タン焼き(宮城県)だ。

「仙台では、各店が独自の熟成法や切り方を用い、極厚、かつサクッとした絶妙な歯ごたえが楽しめる牛タンを提供しています。また、みそ漬けのタンや、国産青トウガラシを使った“南蛮みそ漬け”の薬味など、地元ならではの牛タン文化を味わえるのも魅力です」(前出の田中氏)

 さて、ここからはトップ3の発表だ。第3位は、家庭料理の定番である肉じゃが(広島県)が選ばれた。

 以下は広島県在住の本誌読者からの情報だ。〈明治時代、呉の軍港に赴任していた東郷平八郎元帥が、ビーフシチューを作るよう部下に命じたところ、和風にアレンジされた肉じゃがが誕生したと言われています。西洋の肉食文化を和食と融合させたこのメニューは、近代日本の代表料理と言えるのではないでしょうか〉

 第2位は、豚肉料理の看板であるトンカツ(茨城県)に決定した。トンカツは全国に名物があるが、今回、ローズポークなどのブランド豚を有する茨城を、その代表とした。それには理由がある。

「日本での肉食文化の普及に一役買ったのが、水戸藩から一橋徳川家に養子に出され、後に最後の将軍となった徳川慶喜でした。彼は豚肉が大好物だったことから、“豚一殿”というあだ名で呼ばれていました」(郷土史研究家)

 そんな慶喜は、徳川十五代で最も長生きをした将軍としても知られる。彼の好物の豚肉には、どのような健康効果があるのか。

「豚肉に含まれるビタミンB1には、新陳代謝を高め、体のエネルギー効率を良くし、バテにくい体を作る働きがあります。内臓機能も改善するので、生涯現役を目指すには、もってこいの食材です」(望月氏)

 そして、長時間にわたるJTMCの協議の末、栄えある第1位には、焼き肉(東京都)が選ばれた。

「1946年に新宿で創業した韓国料理店『明月館』が、日本式焼き肉の源流の一つといわれています。

 高度成長期に入ると、焼き肉は全国的に知られ、1968年にエバラ食品から発売された『焼肉のたれ』をきっかけに、日本中で焼き肉ブームが起こりました」(前出のグルメライター)

 韓国の焼き肉とは違う進化を遂げた日本式の焼き肉は、今や全国区。さらに、今後も注目の料理なのだ。

「六本木の焼肉店『叙々苑』が、日本で初めて牛タンにレモンをかけて食べるスタイルを開発したように、これからも全国各地の焼肉店で新しい食べ方が次々と生まれるでしょう」(田中氏)

 日本各地の肉料理を食べて、元気をもらおう!

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4