「40代にして目覚めた笑い&ロックな芸風」キングダムけんた「関西でただ一人のギター漫談家の巻」珍談案内人・吉村智樹のこの人、どエライことになってます!の画像
キングダムけんた

 関西に生息するアヤシくてオモロい人たちに、大阪出身・京都在住の人気ライター・吉村智樹が直撃インタビュー!

■チョイ悪ロックンローラーが奏でる中高年の悲哀が話題!

「ギター漫談を専門にする芸人は、関西においては私一人だけになってしまいました」

 そう語るのは寄席芸人のキングダムけんたさん(54)。ギター一本で客を笑わせる、関西で唯一の継承者だ。

 特徴は、スカッと整えたリーゼント。革ジャンやジャケットをいなせに着こなし、黒のスタッフォードを掻き鳴らす。体型もスマートで、芸人というよりは、“チョイ悪”のロックンローラー。

 それでいてネタは「老眼が進み、子犬が走っていると思って追いかけたら、風に飛ばされたレジ袋だった」といった中高年あるある。見た目とのギャップがおもしろく、シブいブルースを聴いているような味わいがある。

 彼は和歌山出身。リーゼントを始めたのは高校生の頃。先輩からロックバンドに誘われ、ギター・ボーカルを務めた。

 当時は現在の何倍もの高さにもっこり盛り上げたイカツいヘアスタイルだったという。そんな彼だが、ロック以上に夢中になるものがあった。

「お笑いです。あの頃は土曜日のテレビ番組といえば、昼は吉本新喜劇。夜にはドリフやひょうきん族。お笑いが輝いていた時代。“自分も人を笑わせて歓声を浴びたい”と夢見るようになりました」

 芸人に憧れる気持ちが強くなり、高校を中退。親の大反対を押し切り、家を出て大阪に移住。漫才コンビ『ファイヤーバード』を結成した。

 しかし、15年にわたり地道に漫才を続けたが、陽の目を見ず……。相方の引退宣言とともに解散を余儀なくされた。路頭に迷ったある日、彼の人生を大きく変える、ビッグスターとの出会いが。

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